狩野直喜の全作品

儒家の政治に關する理想は、君主其仁義の徳を修め、推して之を四海に擴むるにある。

自分は一昨年の秋から、昨年の十月に懸け、一年間餘歐洲諸國を遊歴し、其傍巴里・倫敦・伯林・聖彼得堡等の國都で、先般燉煌及支那の西陲から發見されて、一時斯學界を賑はした、漢代の木簡、及び※に書いた漢人の尺牘、六朝及び唐代の舊抄卷子本やら、且つ古抄本の一部を筆録して歸つた。

先生と私は年齡の上では一歳しか違はないが、大學の年次は先生の方が五年も先輩で在學中から御盛名は承つて居た。

從來漢土儒林の人を觀るに、漢の楊雄程其人物學問に對する評價の一致せぬものはない。

維大正十三年三月丁亥、故原教授の僚友門人等相謀り、席を妙滿の精舍に設け、僧に請ひ經を誦し、敬みて君の靈を祭る。

桃花源記并桃花源の記ならびにはしがき、晉太元中（１）。

古典の研究で尤大切なものは、或時代に編纂された書籍目録である。

今晩何か茲に出てお話をして呉れと今村さんからのお頼みでありましたが、何分私は斯う云ふ席に出てお話する資格は無いのであります。

支那で國粹保存などいふ事を唱へ出したのは極めて近年のことで、以前には全く無かつたのである。

私は校長のお招きに應じて講演を致す爲めに罷り出ました。