60分以内で読める中島敦の中編作品

昼餉ののち、師父が道ばたの松の樹の下でしばらく憩うておられる間、悟空は八戒を近くの原っぱに連出して、変身の術の練習をさせていた。

寒蝉敗柳に鳴き大火西に向かいて流るる秋のはじめになりければ心細くも三蔵は二人の弟子にいざなわれ嶮難を凌（しの）ぎ道を急ぎたもうに、たちまち前面に一条の大河あり。

蟲有※者。

グラウンドではラグビイの選手達が練習をしていた。

雲海蒼茫佐渡ノ洲郎ヲ思ウテ一日三秋ノ愁四十九里風波悪シ渡ラント欲スレド妾ガ身自由ナラズははあ、来いとゆたとて行かりょか佐渡へだな、と思った。