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TOP 佐藤垢石 短編(10分以内)

10分以内で読める佐藤垢石の短編作品

青空文庫で公開されている佐藤垢石の作品の中で、おおよその読了目安時間が「10分以内」の短編23作品を、おすすめ人気順に表示しています。

(2,001〜4,000文字の作品を対象としています。読了時間は「400字/分」の読書スピードで計算した場合の目安です)
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観音崎と富津岬とが相抱いた東京湾口は、魚の楽園らしい。
私は、ふた昔それ以上も久しい前、水戸に浪人していたことがあった。
この頃は、一盃のむと途方もなく高値な代金を請求されるので、私ら呑ん平にはまことに受難時代である。
物が高くなって、くらしに骨が折れてきたのは私の家ばかりではあるまい。
手もとは、まだ暗い。
いま、想いだしても、その時のことがはっきりと頭に浮かび、眼にも描かれる。
もうそろそろ、もずが巣を営む季節が近づいてきた。
秋の蠅(はえ)も、私には想い出の深い餌である。
私は、明治四十三年四月二十三日の午前十時ごろ、新聞記者を志望して、麹町区有樂町にある報知新聞社の応接間に、私の人物試験をやりにくる人を待っていた。
二、三日前、隣村の老友が私の病床を訪れて、例の「しゃもじ」がまた出たという。
上私は、鯰の屈託のない顔を見ると、まことに心がのんびりとするのである。
釣人の気質にはいろいろある。
秋がくると食べものがおいしい。
このほど、元代議士生方大吉君の案内で東京火災保険の久米平三郎君と共に、上州と越後の国境にある三国峠の法師温泉の風景を探ったのである。
十一月二十七日夜六時頃、先輩の生駒君と一緒に有楽座の美音会へ行ってみる。
遠からず酒の小売値段は、いままでの倍額となるらしい。
物の味は季節によって違う。
緑樹のかげに榻(とう)(こしかけ)を寄せて、麥酒の満をひく時、卓上に香魚の塩焙があったなら涼風おのずから涎(よだれ)の舌に湧くを覚えるであろう。
私の父親は、近村近郷きつての呑ん平であつた。
私は、呑んべえであるから、酒の肴にはいつも苦労する。
それからというもの、私は暇さえあれば諸国を釣り歩いた。
いよいよ、私は食いつめた。
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