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児童書版

阿部一族

森鴎外
『阿部一族』は青空文庫で公開されている森鴎外の長編作品。30,053文字で、おおよそ1時間〜で読むことができます。
文字数
1時間〜   30,053 文字
人気
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書き出し
従四位下左近衛少将兼越中守細川忠利は、寛永十八年辛巳の春、よそよりは早く咲く領地肥後国の花を見すてて、五十四万石の大名の晴れ晴れしい行列に前後を囲ませ、南より北へ歩みを運ぶ春とともに、江戸を志して参勤の途に上ろうとしているうち、はからず病にかかって、典医の方剤も功を奏せず、日に増し重くなるばかりなので、江戸へは出発日延べの飛脚が立つ。
初出
1913年   (「中央公論」1913(大正2)年1月)
底本
「日本の文学 3 森鴎外(二)」中央公論社, 1972(昭和47)年10月20日
表記
新字新仮名
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