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正岡容の全作品

青空文庫で公開されている正岡容の全作品28篇を、おすすめ人気順で表示しています。

1〜28件 / 全28件
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長屋の花見暮れも押し詰まった夜の浅草並木亭。
序章随分久しい馴染だつた神田伯龍がポツクリ死んで、もう三年になる。
冒頭から自分のことを云ひだして恐縮であるが、拙作のなかで先づ/\そこばくの評判を克ち得たものは「寄席」と「円朝」とだらうが、近世話術文化の花であり、最高峰だつた三遊亭円朝は、落語家のなかでの温泉好きで、その著作中、温泉に取材したものには「熱海土産温泉利書」と「敵討霞初島」とが熱海であり、「霧陰伊香保湯煙」と「後開榛名梅ヶ香」「安中草三郎」が伊香保、モーパッサンの「父殺し」を翻案した「名人長二」が湯河原であるが、例の「塩原多助」をかくときにはその出産地たる上州沼田へ実地踏査に...
夕月淡く柳がくれの招き行燈に飛ぶ禽(とり)落とす三遊亭圓朝が一枚看板、八丁荒しの大御所とて、焉(いずく)んぞ沙弥より長老たり得べけむや。
第一部お高祖頭巾の月稽古「今つけてやる」そう言ったきり、フイと師匠の雷門助六は、立っていってしまった。
わが川柳素描省線浅草橋駅歩廊の外側には、このほど穴だらけの焼トタン一めんに貼りめぐらされてゐるが、その南側の方の、なるほどすぐ目の前にはハッキリと両国橋の見られさうな小さな焼穴の上へ、幼稚な白墨の字で、「ココカラ両国見エル」と落書してある。
大正文化の一断片たる浅草オペラの楽屋並びにその俳優たちの生活を最も具さに美しく描破してゐるものは、谷崎潤一郎氏の「鮫人」だらう。
「カチューシャ」前後木下杢太郎氏が名詩集『食後の唄』の中の「薄荷酒」と云ふ詩の序の一節を、ちよつと読んで見て呉れないか。
御一新以後エスペラントと堕した江戸弁は東京の落語の面白さを半減せしめたが、上方には独自の陰影を有つ市井語が現代近くまで遺つてゐたから、此を自由に使駆し得た上方落語は、大へんに幸福であつた。
こはこれ、我が五色七いろの未定稿なり、覚え書なり。
わが寄席随筆大正末年の寄席百面相かの寺門静軒が『江戸繁昌記』の「寄席」の章をひもとくと、そこに「百まなこ」という言葉がある。
売色ところどころ岡場所の歌戦火に遭うまで大塚の花街に、私たちはいた。
おもへば大空襲に先立つ年余、日に/\荒蕪し行く東京都ではあつたが、郷土故の愛情はまた格別で、いまのうちに私の全作品の心臓をなしてゐるこの東京のおもひでをかき付けておかうとおもひ立ちどうやら「東京伝統美」と題し「わが日和下駄」と傍書した三百枚ちかい作品ができ上がつた。
昨夏四十有余枚書きだした『圓朝』はあまりにも伝記の擒(とりこ)となってしまっていたため、こころに満ち足らわず、ハタと挫折したまま八月九月十月十一月と徒らな月日が立っていってしまった。
私に団子坂周辺を描いた小説が二つある。
私は半生をつうじての貧困の生活を、昭和初世の滝野川と杉並馬橋とでおくつた。
猿飴猿飴の猿に湯島の時雨かな綺堂古風な彩色を施し市井芸術としての匂ひいと高い昔ながらの木づくりの猿の看板をかかげて本郷湯島の猿飴は、昭和十八年の末ちかくまで本郷三丁目から湯島天神祠へ至る南側の電車通りに、辛くも伝来の営業をつゞけてゐたが已にその舗のたゞずまひは安価低調なバラック同様の和洋折衷館となつてゐて、伝統猿飴の美しき陰影をつたへる何物とても最早なかつた。
昭和廿年花季の戦火に巣鴨花街の僑居を焼かれてから早や二年有余の歳月がながれ去つた。
私は下谷練塀小路河内山宗俊屋敷に誕生した故であらう、かの市井無頼の遊侠徒たる河内山に対して平常並々ならぬ好意と親愛の情をおぼえないわけには行かない。
私は、昨年の明日、東京巣鴨花街の居宅を兵火に焼かれた。
時雨・雪・三味線堀亡くなられた泉鏡花先生のお作の中でも、「註文帳」は当然代表作の一つに数へていいものだらう。
秋色寄席懐古秋になると、あたしの思い出に、旧東京の寄席風景のいくつかが、きっと、儚(はかな)い幻灯の玻瑠絵ほどに滲み出す。
寄席の庭町中や庭持つ寄席の畳替龍雨かうしたいまは絶えて見られなくなつてしまつた寄席の庭のおもかげ。
上……つらつら考えてみると、こんな商売のくせに私はムッツリしてていったい、平常はあなたもご存じの通りに口が重たいほうなのに、しかもいたってそそっかしい。
花川戸の家人生辛酸を幾多経た今日でも私の記憶から喪失することのできないのは、三歳から十四歳までの春秋をおくつた浅草花川戸の家である。
寄席囃子当代志ん生の味当代の噺家の中では、私は文楽と志ん生とを躊躇(ちゅうちょ)なく最高位におきたい。
第一話寄席ファン時代毎々言うが、私の青春は暗黒だった。
三遊亭圓朝初期の作品たる「怪談牡丹燈籠」「鏡ヶ池操松影(江島屋騒動)」「真景累ヶ淵」並びに代表作「怪談乳房榎」「文七元結」の諸篇を検討してみよう。
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