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児童書版

白い蝶

岡田三郎助
『白い蝶』は青空文庫で公開されている岡田三郎助の短編作品。1,525文字で、おおよそ5分以内で読むことができます。
文字数
5分以内   1,525 文字
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書き出し
友の家を出たのは、最早夕暮であった、秋の初旬のことで、まだ浴衣を着ていたが、海の方から吹いて来る風は、さすがに肌寒い、少し雨催の日で、空には一面に灰色の雲が覆い拡って、星の光も見えない何となく憂鬱な夕だ、四隣に燈(ともし)がポツリポツリと見え初めて、人の顔などが、最早明白とは解らず、物の色が凡て黄ろくなる頃であった。
初出
底本
「文豪怪談傑作選・特別篇 百物語怪談会」ちくま文庫、筑摩書房, 2007(平成19)年7月10日
表記
新字新仮名
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