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ヒルベルト訪問記 1932年10月8日,ゲッチンゲンに於て

高木貞治
『ヒルベルト訪問記』は青空文庫で公開されている高木貞治の短編作品。3,032文字で、おおよそ10分以内で読むことができます。
文字数
10分以内   3,032 文字
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書き出し
S―君.……………晩の7時15分少し前から Wilhelm Weber 町29番地の前の歩道を僕は行きつ戻りつしていました.星の見えたのは近日珍らしいが,秋風が冷こくなってリンデの落葉が二ひら三ひら散らばっているなどは誂向きの道具立です.其処で僕は或る Fr※ulein と rendez-vous があったのです.フロイラインというのは Prof. Dr. Emmy Noether 女史です!ヒルベルト先生を訪問するのに,僕一人では話が途切れたときに...
初出
1932年   (「岩波講座 数学」1932(昭和7)年11月)
底本
「近世数学史談」岩波文庫、岩波書店, 1995(平成7)年8月18日
表記
新字新仮名
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ヒルベルト訪問記
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