書き出し
(前半紛失)このエピソードを思い出すたびに、わたしらはなぜか最近のあなたの詩を思い出さずにはいられない昔のあなたの「拷問に耐える歌」が、あんなに愛誦されている同志田木繁、こんな猫が、あなたの地区の工場の行きすがりに、ふっと道を横ぎりはせぬだろうか自分自身に限界性をくぎるたびに、何かしらこんなものかと思い出してくるものだ昔のあなたの「拷問に耐える歌」が、あんなに愛誦されている世の中にあの記録的な「松ヶ鼻の渡し」の闘いを、なぜまた精悍に開始し...
底本
「槇村浩詩集」平和資料館・草の家、飛鳥出版室, 2003(平成15)年3月15日