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槙村浩
短編(10分以内)
人民詩人への戯詩
人民詩人への戯詩
槙村浩
『人民詩人への戯詩』は青空文庫で公開されている槙村浩の短編作品。2,064文字で、おおよそ10分以内で読むことができます。
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書き出し
中野重治「ここは穴だ黒くて臭い」これは中野重治の生涯のスローガンだった彼は帝国ホテルのまん中で立停り鼻をいじりながらこう呟いたそれから機関車の後姿を見送ってうや/\しく敬礼しながらだがこの偉大な「大男」の煤臭いにおいにへきえきしてまたこう呟いた列車が雨のふる品川駅につくと彼は前衛の乗客を見送りながら大きく息をついて「さようなら」と言った中野はいつも「さようなら」と言いたが...
初出
底本
「槇村浩詩集」平和資料館・草の家、飛鳥出版室, 2003(平成15)年3月15日
表記
新字新仮名
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