書き出し
ぶんぶんすばらしくうなりながら私の目の前にいつでもいつでもあらわれてくる調帯うとうととまどろみかけた頭のなかにすぐぶんぶんとひびきながら私の身体のところどころをへし折りはねとばしすばらしい勢いで回転している調帯の幻影いつでもいつでも夜でも昼でも私は調帯にせめられているまっくらがりのなかでぶんぶんうなりながら回転している調帯!手を折られ足を折られた私のめのまえへ疲れきったあたまのなかから...
底本
「日本プロレタリア文学集・38 プロレタリア詩集(一)」新日本出版社, 1987(昭和62)年5月25日