書き出し
腰を下して膝かぶにのっけた掌俺らの運勢をみろごつごつの節くれ奴大根ごっそりひきぬいて町さうんとこ運んでも伜の雑記帳と読本は軽いもんだなあ女房いくら人参が好物だって堪えて呉ろよ鎮守の店に借があるだぞ役場の赤紙も溜ってるだごつごつの節くれ奴!一生運勢だとあきらめて地主の倉に種を蒔いているだか一体?俺らの収穫はいつの秋だ...
初出
1928年
(「戦旗」1928(昭和3)年11月号)
底本
「日本プロレタリア文学集・38 プロレタリア詩集(一)」新日本出版社, 1987(昭和62)年5月25日