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5分以内で読める漢那浪笛の短編作品

青空文庫で公開されている漢那浪笛の作品の中で、おおよその読了目安時間が「5分以内」の短編29作品を、おすすめ人気順に表示しています。

(〜2,000文字の作品を対象としています。読了時間は「400字/分」の読書スピードで計算した場合の目安です)
1〜29件 / 全29件
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満つと見しこの天地は足ずありぬ心をいづちやるも空虚のみ海の香しめる暁を今日片時の浜下り磯の霞に酔ひしれて哀れ吾が世の夢に泣く浪路逢かた見渡たして満潮時を恨み泣く千鳥の声に胸冷えて哀れ吾が世の夢に泣く花葉かざれる海の底そや湧きかへる黒潮は憂しや吾が身の宿世にて哀れ吾が世の夢に泣く足跡しげき砂の上深かき想ひに眼を閉ちて世の運命を思へば哀れ吾が世の夢...
君にささぐる心のきほひ、火と燃え肉は爛れおちぬ。
黄ばんだ一本の棕梠、痛ましく裂けた葉のそよぎ。
淋しき日悲しき思ひ吾が心弄し去んぬる。
あまき歓楽の日は、束の間に決別をつげ……物のかたち、淋しき色に濡れて、墓場の景色をくりひろげぬ。
静けき海のかなた、日影しのびいる、森の奥に、彩鳥の声すと、きゝぬ。
かつて、きゝし折りなき楽の音!今宵、心にしのび入る。
せちになげける秋の木立に、青める月の、病めるいぶき。
記念のための瀬戸焼の盃、淋しい日の慰めに、とり出して、泡盛をつぐ。
淋しき夜の音づれ、つかれし眼にうつりわなゝき震ふ心は、たゆむ隙なく、あるかなきかの影にも似たれ。
※ささへかねたる苦痛の重さ!心と肉とは、時ふるへり。
常に夢見る女のすがた!夕暮れ方、しめやかな窓にしのんで来る。
若夏の入江の西に、萎ゆる帆を静かにたゝみ、大船の錨なぐるや、波止場には、吾かなつかしき南国の男女のあまた、すゝみよる、艀(はしけ)むかへぬ。
午前七時、時刻が来たいざ学校へ。
うら若かき日の悲しきあこかれ――草葉の息吹きかへす甘き馨り、艶はしき花の笑ひもながめて過ぎぬ。
わが思ふ女ありやなしや。
※温たかき玉は、君が手より、すべり落ちぬ。
黄昏時を四五分すぎたあと、薄闇を縫ふて、紅い々々燈(ひ)の華が、冬咲きの仏相花のやうにちらつく。
なつかしい丘の上、棕呂の若葉のそよぎに、小鳥の唄。
咲きし華はしぼみて、わが世は暗がりわたり。
一頭のやせ馬に、ひかれゆく黒塗りのかた馬車。
ふくよかの顔面あげて紅潮の浜にさすごと華やかの笑みひろごりてまなざしの光すゞしくわが胸の奥には深くよろこびの影こそ跳れわが耳に絃(かな)づる歌は鶯の啼く音をこめねあたたかき玉の腕に瑠璃色の酒瓶たたけば白百合の花よりすべる露のごと湧くや甘酒玉盃の縁にあふれて白銀や黄金の花のそこゐには咲きそむものと口ごもる若き恋人手をのべて盃をうくればわが心天...
※秋の木の葉がふるひ出す、ものにおびへた眼の色は、たゞ白びかり――何を見る。
くらがりなすによしなき哀れさよ、早や日数経て、今日の日も暗がりわたる物おもひ。
※気味わるき、十二月の、ひねもす。
無言常によく見る女なれど、心の欲を云ひいでむ、また、語るべき機会もなく、胸もどかしく、過ぎゆくか。
南の国の黄昏れ、空は紅き笑ひを残して静かなり。
※音なき秋の空をながめて、木の葉は淡き吐息をもらし、色みな、悲しきメロディなり。
そのうら若かき頃の、悲しきあこがれ………草葉の息ふきかへす甘き香り、艶はしき花の笑ひもながめて過ぎぬ、木の間にさへずる、鳥の歌をきゝ、悲しみは眼を閉ぢて、暫時やすらひもせし、されど、とく新らしき悲しみに転りぬ、何をもて、この闇を照さむ、空を仰げば恐ろし………いざさらば、独り琉球節の一曲を、口笛にふるわせ、うらやすき墓場のほとりにさ迷はむ、そは音なき響きを(聞)かんとや………その...
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