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児童書版

釜ヶ崎

武田麟太郎
『釜ヶ崎』は青空文庫で公開されている武田麟太郎の中編作品。19,993文字で、おおよそ60分以内で読むことができます。
文字数
60分以内   19,993 文字
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書き出し
カツテ、幾人カノ外来者ガ、案内者ナクシテ、コノ密集地域ノ奥深ク迷ヒ込ミ、ソノママ行先不明トナリシ事ノアリシト聞ク――このやうに、ある大阪地誌に下手な文章で結論されてゐる釜ヶ崎は「ガード下」の通称があるやうに、恵美須町市電車庫の南、関西線のガードを起点としてゐるのであるが、さすがその表通は、紀州街道に沿つてゐて皮肉にも住吉堺あたりの物持が自動車で往き来するので、幅広く整理され、今はアスファルトさへ敷かれてゐる。
初出
底本
「現代文学大系 44 武田麟太郎・島木健作・織田作之助集」筑摩書房, 1967(昭和42)年
表記
新字旧仮名
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