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5分以内で読める中原中也の短編作品(2ページ目)

青空文庫で公開されている中原中也の作品の中で、おおよその読了目安時間が「5分以内」の短編107作品を、おすすめ人気順に表示しています。

(〜2,000文字の作品を対象としています。読了時間は「400字/分」の読書スピードで計算した場合の目安です)
51〜100件 / 全107件
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概念が明白となればそれの所産は観念でした観念の恋愛とは焼砂ですか紙で包んで棄てませう馬鹿な美人人間に倦きがなかつたら彼岸の見えない川があつたら反省は咏嘆を生むばかりです自分と過去とを忘れて他人と描ける自分との恋をみつめて進むんだ上手者なのに何故結果が下手者になるのでせう女よそれを追求して呉れ。
トランプの占ひで日が暮れました――オランダ時計の罪悪です喩へ話の上に出来た喩へ話――誰です法律ばかり研究してるのは林檎の皮に灯が光るそればかりみてゐても金の時計が真鍮になりますぞ寺院の壁にトンボがとまつたそれは好いがあんまりいたづらは不可ません法則とともに歩く男君のステッキは何といふ緊張しすぎた物笑ひです。
ダダイストが大砲だのに女が電柱にもたれて泣いてゐましたリゾール石鹸を用意なさいそれでも遂に私は愛されません女はダダイストを普通の形式で愛し得ません私は如何せ恋なんかの上では概念の愛で結構だと思つてゐますに白状します――だけど余りに多面体のダダイストは言葉が一面的なのでだから女に警戒されます理解は悲哀です概念形式を齎しません。
タバコとマントが恋をしたその筈だタバコとマントは同類でタバコが男でマントが女だ或時二人が身投心中したがマントは重いが風を含みタバコは細いが軽かつたので崖の上から海面に到着するまでの時間が同じだつた神様がそれをみて全く相対界のノーマル事件だといつて天国でビラマイタ二人がそれをみてお互の幸福であつたことを知つた時恋は永久に破れてしまつた。
何と物酷いのです此の夜の海は――天才の眉毛――いくら原稿が売れなくとも燈台番にはなり給ふなあの白ッ、黒い空の空――卓の上がせめてもです読書くらゐ障げられても好いが書くだけは許して下さい実質ばかりの世の中は淋しからうがあまりにプロパガンダプロパガンダ……だから御覧なさいあんなに空は白黒くともあんなに海は黒くともそして――岩、岩、岩だが中間が空虚です。
幼き恋は寸燐の軸木燃えてしまへばあるまいものを寐覚めの囁きは燃えた燐だつたまた燃える時がありませうかアルコールのやうな夕暮に二人は再びあひました――圧搾酸素でもてゝゐる恋とはどんなものですかその実今は平凡ですがたつたこなひだ燃えた日の印象が二人を一緒に引きずつてます何の方へです――ソーセーヂが紫色に腐れました――多分「話の種」の方へでせう。
筆が折れるそれ程足りた心があるかだつて折れない筆がありますか?聖書の綱が性慾のコマを廻す原始人の礼儀は外界物に目も呉れないで目前のものだけを見ることでしただがだが現代文明が筆を生みました筆は外界物です現代人は目前のものに対するにその筆を用ひました発明して出来たものが不可なかつたのですだが好いとも言へますから――僕は筆を折りませうか?その儘にしときませうか?。
仮定はないぞよ!先天的観念もないぞよ!何にもない所から組立てゝ行つて先天的観念にも合致したがね理窟が面倒になつたさ屋根みたいなものさ意識した親切は持たないがね忠告する元気があれば象牙の塔の修繕にまはさうさカウモリ傘にもたれてみてゐりやあ人は真面目にくたびれずに事業つて奴をやつて呉れらあサンチマンタリズムに迎合しなきや趣味の本質に叛くかしらつてのがまあまあ俺の問題といへば問題さ。
女吸取紙を早くかせ恵まれぬものが何処にある?マッチの軸を小さく折つた女自分は道草かしら女は摘草といふも勿体ないといつた俺は女の目的を知らないのださうだ原因なしの涙なんか出さないと自称する女から言はれた飛行機の分裂目的が山の端をとぶ縫物秘密がどんなに織り込まれたかしら女は鋏を畳の上に出したまゝ出て行つた自分に理窟をつけずに只管英雄崇拝女は男よ...
その夜私は、コンテで以て自我像を画いた風の吹いてるお会式の夜でした打叩く太鼓の音は風に消え、私の机の上ばかり、あかあかと明り、女はどこで何を話してゐたかは知る由もない私の肖顔は、コンテに汚れ、その上に雨でもパラつかうものなら、まこと傑作な自我像は浮び、軌り[#「軌り」は底本では「軌り」]ゆく、終夜電車は、悲しみの余裕を奪ひ、あかあかと、あかあかと私の画用紙の上は、けれども悲しい私の肖...
山に清水が流れるやうにその陽の照つた山の上の硬い粘土の小さな溝を山に清水が流れるやうに何も解せぬ僕の赤子は今夜もこんなに寒い真夜中硬い粘土の小さな溝を流れる清水のやうに泣く母親とては眠いので目が覚めたとて構ひはせぬ赤子は硬い粘土の溝を流れる清水のやうに泣くその陽の照つた山の上の硬い粘土の小さな溝をさらさらさらと流れるやうに清水のやうに寒い真夜中赤子は泣くよ...
成程共に発見することが楽しみなのかさうか、それでは俺に恋は出来ないお前を知る前既にお前の今後発見することを発見しつくしてゐたから一つの菓子を二人とも好んではゐない一人は大好きで一人が嫌ひです菓子と二人との三角関係菓子は嫌ひな一人からヤカレて仕合せ者だ一番平凡なバランスの要求だのに何故そのバランスが来ないのか髪油の香が尚胸に残つてゐる煙草の香が胸に残つてゐるかしら蛙...
塗板がセンベイ食べて春の日の夕暮は静かですアンダースロウされた灰が蒼ざめて春の日の夕暮は穏かですあゝ、案山子はなきか――あるまい馬嘶くか――嘶きもしまいたゞたゞ青色の月の光のノメランとするまゝに従順なのは春の日の夕暮かポトホトと臘涙に野の中の伽藍は赤く荷馬車の車、油を失ひ私が歴史的現在に物を言へば嘲る嘲る空と山とが瓦が一枚はぐれました春の日の夕暮はこれから無言ながら...
夏の午前よ、いちじくの葉よ、葉は、乾いてゐる、ねむげな色をして風が吹くと揺れてゐる、よわい枝をもつてゐる……僕は睡らうか……電線は空を走るその電線からのやうに遠く蝉は鳴いてゐる葉は乾いてゐる、風が吹いてくると揺れてゐる葉は葉で揺れ、枝としても揺れてゐる僕は睡らうか……空はしづかに音く、陽は雲の中に這入つてゐる、電線は打つづいてゐる蝉の声は遠くでしてゐる懐しきものみ...
古る摺れた外国の絵端書――唾液が余りに中性だ雨あがりの街道を歩いたが歩いたが飴屋がめつからない唯のセンチメントと思ひますか?――額をみ給へ――一度は神も客観してやりました――不合理にも存在価値はありませうよだが不合理は僕につらい――こんなに先端に速度のある自棄々々々々下駄の歯は僕の重力を何といつて土に訴へます「空は興味だが役に立たないことが淋しい――精...
酒は誰でも酔はすだがどんな傑れた詩も字の読めない人は酔はさない――だからといつて酒が詩の上だなんて考へる奴あ「生活第一芸術第二」なんて言つてろい自然が美しいといふことは自然がカンヴァスの上でも美しいといふことかい――そりや経験を否定したらインタレスチングな詩は出来まいがね――だが「それを以てそれを現すべからず」つて言葉を覚えとけえ科学が個々ばかりを考へて文学が関係ばかりを考へ過ぎ...
萩原氏の本はよく売れるさうである。
名詞の扱ひにロヂックを忘れた象徴さ俺の詩は宣言と作品との関係は有機的抽象と無機的具象との関係だ物質名詞と印象との関係だ。
夏は青い空に、白い雲を浮ばせ、わが嘆きをうたふ。
真ツ白い嘆かひのうちに、海を見たり。
地方の詩のグループも多いことだが、どういふものか、ずつと以前から大連と神戸にだけ面白いものが見られるのだつた。
疲れやつれた美しい顔よ、私はおまへを愛す。
辛いこつた辛いこつた!なまなか伝説的存在にされてあゝ、この言語玩弄者達の世に、なまなか伝説的存在にされて、(パンを奪はれ花は与へられ)あゝ、小児病者の横行の世に!奴等の頭は言葉でガラガラになり、奴等の心は根も葉もないのだ。
今晩あゝして元気に語り合つてゐる人々も、実は、元気ではないのです。
われ星に甘え、われ太陽に傲岸ならん時、人々自らを死物と観念してあらんことを!われは御身等を呪ふ。
2恋人よ、その哀しげな歌をやめてよ、おまへの魂がいらいらするので、そんな歌をうたひだすのだ。
宮沢賢治全集の、第一回配本が出ました。
L'art, mes enfents, d'※tre en soi-meme! Paul Verlaine芸術とは、喩へば金鉱発掘の如きものだ。
人がいかにもてなしてくれようとも、それがたゞ暖い色をした影に見え、自分が自分で疑はれるほど、淋しさの中に這入つた時、人よ憶ひ出さないか?かの、君が幼な時汽車で通りかゝつた小山の裾の、春雨に打たれてゐたどす黒い草の葉などを、また窓の下で打返してゐた海の波などを……※実生活は論理的にやるべきだ!実生活にあつて、意味のほか見ない人があつたら、その人は実生活以外にも世界を知つてゐる人だ。
二こんなにフケが落ちる、秋の夜に、雨の音はトタン屋根の上でしてゐる……お道化てゐるな――しかしあんまり哀しすぎる。
草野心平君の第三詩集『母岩』が出た。
私自身とは、詩に於けるたてまへも大分相違してゐるにも拘らず、私は此の詩集を、気持よく読んだことを告白しなければならない。
辻野君とは会で五六回、会の流れで二回会つたばかりであるから余り深いつきあひであつたわけではない。
峠の頂上を過ぎると私は十歩も歩まぬうちに、いきなり蹲み込んでしまつた。
朝な朝な、東の空の紫色の雲の中に、一つの家族がありました。
とど、俺としたことが、笑ひ出さずにやゐられない。
自分の感情に自分で作用される奴はなんとまあ伽藍なんだ欲しくても取つてはならぬ気もあります好きと嫌ひで生きてゐる女には一番明白なものが一番漠然たるものでした空想は植物性です女は空想なんです女の一生は空想と現実との間隙の弁解で一杯です取れといふ時は植物的な萎縮をし取らなくても好いといへば煩悶し取るなといへば闘牛師の夫を夢みますそれから次の日の夕方に何といひました「あなたはあたしを理解して呉...
友人高森文夫の詩集、浚渫船が出た。
子供の時に、深く感じてゐたもの、――それを現はさうとして、あまりに散文的になるのを悲しむでゐたものが、今日、歌となつて実現する。
我が国に文学がないとは云はないが、我が大衆に未だ文学がないとは云へるのだ。
機敏な晩熟児といふべき此の男が、現に存するのだから僕は機敏な晩熟児が如何にして存るかその様を語らうと思ふ。
私は全ての有機体の上に、無数に溢れる無機的現象を見る。
今までの詩(新体詩)は熱つぽいと思ふ。
詩といふものが、人生を打算して生きてゐる根性からは、決して生れるものではない!一見、その根性は人をして屡々知慧ある態度を採らせるやうに見える。
インテリは蒼ざめてゐる。
どうともなれだ俺には何がどうでも構はないどうせスキだらけぢやないかスキの方を減さうなんてチヤンチヤラ可笑しい俺はスキの方なぞ減らさうとは思はぬスキでない所をいつそ放りつぱなしにしてゐるそれで何がわるからう俺にはおもちやが要るんだおもちやで遊ばなくちやならないんだ利得と幸福とは大体は混るだが究極では混りはしない俺は混らないとこばつかり感じてゐなけあならなくなつてるんだ月給が増えるからといつてお...
ほつそりと、だが骨組はしつかりしてゐた、その躯幹の上に、小さな頭が載つかつてゐた。
その日はカラリと晴れた、やはらかい日射しの、秋の一日だつた。
詩壇は今や、一と通りの準備をすませた。
此の間京都の農林学校の生徒が三十名、満蒙視察に出掛けました。
マークのついた作品は著作権が存続しています。 詳細は 青空文庫公式サイトの取り扱い基準 をご確認のうえ、取り扱いの際は十分注意してください。