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TOP 中原中也 短編(30分以内)

30分以内で読める中原中也の短編作品

青空文庫で公開されている中原中也の作品の中で、おおよその読了目安時間が「30分以内」の短編16作品を、おすすめ人気順に表示しています。

(4,001〜12,000文字の作品を対象としています。読了時間は「400字/分」の読書スピードで計算した場合の目安です)
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私はほんとに馬鹿だつたのかもしれない。
「福岡から、お客様がみえました」――さういふ下女の取次ぎの言葉を聞いた時から、彼は脅えてゐなくちやならなかつた。
田舎の県立中学で歴史の教師をしてゐた彼が、今度京都の或私立中学の校長を勉めることになつた。
一、「これが手だ」と、「手」といふ名辞を口にする前に感じてゐる手、その手が深く感じられてゐればよい。
古へにあつて、人が先づ最初に表現したかつたものは自分自身の叫びであつたに相違ない。
一、近頃芸術は世界全般に亙つて衰へ、その帰趨を知らない。
様々な議論が沸騰してゐるけれど、それらの何れもはや議論といふよりは彷徨、それも随分無責任な、身入りのしないことにしか過ぎない。
会社の帰りに社長の宅を訪問した竹山は何時もになく遅く帰つて来た。
ジイド全集ももうあと三冊で完了する。
何時誰から聞いたのだつたか覚えないが、かういふことを聞いたことがある。
実際その電報には驚いた。
裕福な家庭の、特に才能があるといふ程でもない青年が、「文学でもやつてみるか」といつた調子で、文学志望を抱いたとする。
詩観とはいへ、書かんとするのは要するに私の文学観であり、世界観の概略でもあるから、それに今日や昨日に考へ付いたことではないことを書くのであるから、多くの人に読んで貰ひたいものである。
主家で先刻から、父と母との小言らしい声がしてゐた。
ああ、もう、死んでしまはうか……自分の正直さが、といふよりも歌ひたい欲望が、といふよりも酔つてゐたい性情が、強ければ強いだけ、〈頭を上げれば叩かれる〉此の世の中では、損を来たすこととなり、損も今では積り積つて、此の先生活のあてもなくなりさうになつてゐることを思ふと、死んでしまはうかと思ふより、ほかに仕方もないことであつた。
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