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梓川の上流
小島烏水

『梓川の上流』は青空文庫で公開されている小島烏水の短編作品。11,280文字で、おおよそ30分以内で読むことができます。

文字数
30分以内
  11,280 文字
人気   -- PV
書き出し 明科停車場を下りると、犀(さい)川の西に一列の大山脈が峙(そばだ)っているのが見える、我々は飛騨山脈などと小さい名を言わずに、日本アルプスとここを呼んでいる、この山々には、名のない、あるいは名の知られていない高山が多い、地理書の上では有名になっていながら、山がどこに晦(か)くれているのか、今まで解らなかったのもある――大天井岳などはそれで――人間は十人並以上に、一寸でも頭を出すと、とかく口の端にかかる、あるいは嫉みの槌(つち)で、出かけた杭が敲(たた)きのめされ...
初出
表記 新字新仮名
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紀行文家の群れ
小島烏水
明治文壇には、紀行文家と称せられる一群の顔ぶれがあった。
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霧の不二、月の不二
小島烏水
不二より瞰(み)るに、眼下に飜展せられたる凸版地図の如き平原の中白面の甲府を匝(め)ぐりて、毛ばだちたる皺(しわ)の波を畳み、その波頭に鋭峻の尖(とが)りを起てたるは、是れ言ふまでもなく金峰山、駒ヶ嶽、八ヶ嶽等の大嶽にして、高度いづれも一万尺に迫り、必ずしも我不二に下らざるが如し、不二は自らその高さを意識せざる謙徳の大君なり、裾野より近く不二を仰ぐに愈(いよい)よ低し、偉人と共に家庭居するものは、その那辺が大なるかを解する能はざるが如し。
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雪中富士登山記
小島烏水
今朝は寒いと思うとき、わが家の背後なる山王台に立って、遥かに西の方を見渡すと、昨夜の風が砥(と)ぎ澄まして行った、碧く冴えた虚空の下には、丹沢山脈の大山一帯が、平屋根の家並のように、びったり凍かんで一と塊に圧しつけられている。
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菜の花
小島烏水
市街に住まっているものの不平は、郊外がドシドシ潰されて、人家や製造場などが建つことである、建つのは構わぬが、ユトリだとか、懐ろぎだとかいう気分が、亡くなって、堪まらないほど窮屈になる、たとえやにこくても、隙間もなく押し寄せた家並びを見ていると、時々気が詰まる、もし人家の傍に、一寸した畠でもあれば、それが如何に些細なものであっても、何だか緩和されるような気になる、そうして庭園のように、他所行きの花卉だの、「見てくれ」の装飾だのがしてないところに、又しようとも思わない無造作のところに、思いさ...
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