30分以内で読める宮本百合子の短編作品（2ページ目）

異性との間の友情の可能やその美しさなどについてより多くさまざまに思い描くのが常に女性であるということについて、私たちはどう考えたらいいのだろうか。

Ａ――佃一郎自分――伸子父――佐々省三母――多計代岩本――中西ちゑ子弟――和一郎南――高崎直子弟――保和田――安川ただ／咲［＃「ただ」と「咲」は２列に並ぶ］子妹――つや子吉田――名取星野――山内ウェルス――ロビンソン原田――伊東野中夫人――関夫人○ミスコウルフィルド――ミスプラット○ミスダニエル――ベーデルミスホワイト...

景清この夏、弟の家へ遊びに行って、甃（いしだたみ）のようになっているところの籐椅子で涼もうとしていたら、細竹が繁り放題な庭の隅から、大きな茶色の犬が一匹首から荒繩の切れっぱしをたらしてそれを地べたへ引ずりながら、のそり、のそりと出て来た。

中国という国へ、イギリスやアメリカの婦人宣教師が行って、そこで生活するようになってから、何十年の年月が経ったであろう。

家庭で科学教育をどんな風にしてゆくかということや、科学についての知識を大衆の間にひろめ高めてゆくという文化上の大切なことがらも、現実の問題としては今日いろいろと複雑なものを含んでいるのではなかろうか。

私たちの日常生活のなかにある美しさというものも、今はなかなかきつい風に吹かれているのではないだろうかと思う。

ソヴェト同盟の南にロストフという都会がある。

岩波新書のなかに、米川正夫氏の翻訳でヴォドピヤーノフというひとの書いた「北極飛行」という本がある。

私のところに、今年四つになる甥が一人いる。

最近、一つの示唆に富んだ経験をした。

（１）トゥウェルスカヤ通りの角に宏壮な郵電省の建物がある。

――ヤア、こんちは。

今日、文学の大衆化ということが非常に云われて来ている。

近頃、一部の作家たちの間に、日本の作者はもっと「大人の文学」をつくるようにならなければならない、という提唱がなされている。

要件（婦人部会へ）四月二十六日（金）一、出版プランについて（Ａ）［＃「（Ａ）」は縦中横］婦人のための問答集二冊これはもう出版部とお話がついているのでしょうか。

日本文学が近い将来に、どのような新たな要素をとりいれて進展してゆくだろうかという問題は、決して単純に答えられないことであると思う。

朝モスクワ煙草工場に働いているニーナは、例によって枕元の眼醒ましの音でハッと目をさました。

新年号の『文学評論』という雑誌に、平林英子さんの「一つの典型」という小説がのっていて時節柄私にいろいろの感想をいだかせた。

友達ということを思うと、私の心にきっと甦って来る一つの俤がある。

わたしたちの生活に平和が戻り新しい民主生活の扉が開かれて、二度目の春を迎えることになりました。

『近代文学』十月特輯号に平野謙氏の「労働者作家の問題」という講演筆記がのせられている。

この三四年の間、小説を書かないのは何故であるか。

田舎［＃「田舎」は底本では「舎」］では何処にでも、一つの村に一人は、馬鹿や村中の厄介で生きている独りものの年寄があるものだ。

バルザックの小説バルザックの世界において、性格は寧ろ単純である。

選集第八巻、第九巻に、ソヴェト見学時代のいろいろな報告をあつめることができたのは、思いもかけなかったよろこびである。

先ごろ、ある婦人雑誌で、婦人の公的生活、私的生活という話題で、座談会を催す計画があったようにきいた。

『現代アメリカ文学全集』の中にドライサアの「アメリカの悲劇」が出ている。

時候あたりだろうと云って居た宮部の加減は、よくなるどころか却って熱なども段々上り気味になって来た。

つい先頃、或る友人があることの記念として私に小堀杏奴さんの「晩年の父」とほかにもう一冊の本をくれた。

偉い女のひとというものは、歴史の上で何人かいますし、現在でも世界には幾人かの偉い婦人と呼ばれるにふさわしいひとがいるでしょう。

千人針の女のひとたちが街頭に立っている姿が、今秋の文展には新しい風俗画の分野にとり入れられて並べられている。

「――春になると埃っぽいな――今日風呂が立つかい」「そうね、どうしようかと思ってるのよ、少し風が強いから」「じゃあ一寸行って来よう」「立ててもよくてよ」「行って来る方が雑作ない」愛が風呂場で石鹸箱をタウルに包んで居る間に、禎一は二階へ蟇口をとりに登った。

一九二七年三月下旬の或日。

六月一日私は精神のローファー定った家もなく繋がれた杭もなく心のままに、街から街へ小路から小路へと霊の王国を彷徨（さまよ）う。

ゆたかに、より能力のある人生を、というこころもちから、このごろの十代の人たちはどう生きているか、そして、どう生きようと欲しているか、という問題について注目されはじめている。

三月十五日は三・一五の記念日だから共産党の公判を傍聴に行こうとお友達○○○さんに誘われました。

その家は夏だけ開いた。

婦人と科学「日本の科学」ということがこの頃世人の注目をひいている。

六月二日静かな快い日である。

最近、昆虫学の泰斗として名声のあった某理学博士が、突然に逝去された報道は、自分に、暫くは呆然とする程の驚きと共に、深い深い二三の反省ともいうべきものを与えました。

七月○日今年の暑気は大変にこたえるように思う。

一九四七年の文学の動向として大へん目立つことは大体三つあると思います。

きのう、用事があって出かけ、バスの停留場に立っていたら、向う側の酒屋の横の「英語、タイプライチング教授」とペンキ塗の看板のわきに、もう一つ今まで見当らなかった広告が出ているのに心付いた。

――ミーチャ、さあ早く顔あらっといで！お母さんは、テーブルの前へ立ってパンを切りながら、六つの息子のミーチャに云った。

新聞に、ぽつぽつと婦人代議士として立候補を予測される人々の写真などがのりはじめた。

八月のある日、わたしは偶然新聞の上に一つの写真を見た。

谷崎潤一郎の小説に「卍」という作品がある。

一九二九年私どもはモスクワからヨーロッパへ旅行に出かけて、ポーランドの首府ワルシャワへちょうど四月三十日の夕方についた。

私たちの日常生活でのものの考えかたの中には、随分現実よりおくれた型が、型としてはまりこんだまま残されていると思う。

九月号の『婦人文芸』に藤木稠子という作者の戯曲「裏切る者」という一幕ものがのっていた。