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矢田津世子の全作品

青空文庫で公開されている矢田津世子の全作品10篇を、おすすめ人気順で表示しています。

1〜10件 / 全10件
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忌明けになって姑(はは)の心もようよう定まり、清子と二人は良人の遺骨をもって、いよいよ郷里の秋田へ引き上げることになった。
三階利札室は銃声のない戦場だ。
暑い暑い言うたのも束の間にてもはや秋風たちはじめ、この頃では朝夕膚さむいようになりましたが、まことに久しくおたよりも致さず、あね様はじめ小さい菊ちゃんにもお変りもあらせられませんか。
「天にまします我らの父よ。
隣りの紺屋の婆様から、ぎんはこんな昔語りをきいた。
秋田市から北の方へ、ものの一時間も汽車に揺られてゆくと、一日市という小駅がある。
常は無駄口の尠い唐沢周得氏が、どうしたはずみか、この数日来妙に浮きたって、食事の間も駄洒落をとばしたりしては家人を笑わせたりする。
居間の書棚へ置き忘れてきたという父の眼鏡拭きを取りに紀久子が廊下を小走り出すと電話のベルがけたたましく鳴り、受話機を手にすると麻布の姉の声で、昼前にこちらへ来るというのであった。
夕飯をすませておいて、馬淵の爺さんは家を出た。
先き頃、京阪方面の古刹めぐりから戻られた柳井先生の旅がたりのうちに、大和中宮寺の「天寿国曼荼羅」のおはなしがあった。
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