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児童書版

木曽道中記

饗庭篁村
『木曽道中記』は青空文庫で公開されている饗庭篁村の長編作品。26,857文字で、おおよそ1時間〜で読むことができます。
文字数
1時間〜   26,857 文字
人気
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書き出し
第一囘鐵道の進歩は非常の速力を以て鐵軌を延長し道路の修繕は縣官の功名心の爲に山を削り谷を埋む今ま三四年せば卷烟草一本吸ひ盡さぬ間に蝦夷(ゑぞ)長崎へも到りヱヘンといふ響きのうちに奈良大和へも遊ぶべし况(いは)んや手近の温泉塲など樋(とひ)をかけて東京へ引くは今の間なるべし昔の人が須磨明石の月も枴(おふご)にかけてふり賣にやせんと冷評せしは實地となること日を待たじ故に地方漫遊のまた名所古跡一覽のと云ふ人は少し出立を我慢して居ながら伊勢の大神宮へ賽錢あぐる便利を待つたが宜さうなもの...
初出
1890年   (「東京朝日新聞」1890(明治23)年5月3日~7月3日)
底本
「明治文學全集 94 明治紀行文學集」筑摩書房, 1974(昭和49)年1月30日
表記
旧字旧仮名
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木曽道中記
饗庭篁村
第一囘鐵道の進歩は非常の速力を以て鐵軌を延長し道路の修繕は縣官の功名心の爲に山を削り谷を埋む今ま三四年せば卷烟草一本吸ひ盡さぬ間に蝦夷(ゑぞ)長崎へも到りヱヘンといふ響きのうちに奈良大和へも遊ぶべし况(いは)んや手近の温泉塲など樋(とひ)をかけて東京へ引くは今の間なるべし昔の人が須磨明石の月も枴(おふご)にかけてふり賣にやせんと冷評せしは實地となること日を待たじ故に地方漫遊のまた名所古跡一覽のと云ふ人は少し出立を我慢して居ながら伊勢の大神宮へ賽錢あぐる便利を待つたが宜さうなもの...
1時間〜
隅田の春
饗庭篁村
第一囘三月二十日、今日は郡司大尉が短艇遠征の行を送るに、兼ねて此壮図に随行して其景況並びに千島の模様を委しく探りて、世間に報道せんとて自ら進みて、雪浪萬重の北洋を職務の為にものともせぬ、我が朝日新聞社員横川勇次氏を送らんと、朝未明に起出て、顔洗ふ間も心せはしく車を急せて向島へと向ふ、常にはあらぬ市中の賑(にぎ)はひ、三々五々勇ましげに語り合ふて、其方さして歩む人は皆大尉の行を送るの人なるべし、両国橋にさしかゝりしは午前七時三十分、早や橋の北側は人垣と立つどひ、川上...
30分以内
良夜
饗庭篁村
予は越後三条の生れなり。
30分以内