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児童書版

隅田の春

饗庭篁村
『隅田の春』は青空文庫で公開されている饗庭篁村の短編作品。4,274文字で、おおよそ30分以内で読むことができます。
文字数
30分以内   4,274 文字
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書き出し
第一囘三月二十日、今日は郡司大尉が短艇遠征の行を送るに、兼ねて此壮図に随行して其景況並びに千島の模様を委しく探りて、世間に報道せんとて自ら進みて、雪浪萬重の北洋を職務の為にものともせぬ、我が朝日新聞社員横川勇次氏を送らんと、朝未明に起出て、顔洗ふ間も心せはしく車を急せて向島へと向ふ、常にはあらぬ市中の賑(にぎ)はひ、三々五々勇ましげに語り合ふて、其方さして歩む人は皆大尉の行を送るの人なるべし、両国橋にさしかゝりしは午前七時三十分、早や橋の北側は人垣と立つどひ、川上...
初出
1893年   (「東京朝日新聞」1893(明治26)年3~4月)
底本
「明治の文学 第13巻 饗庭篁村」筑摩書房, 2003(平成15)年4月25日
表記
新字旧仮名
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饗庭篁村
第一囘鐵道の進歩は非常の速力を以て鐵軌を延長し道路の修繕は縣官の功名心の爲に山を削り谷を埋む今ま三四年せば卷烟草一本吸ひ盡さぬ間に蝦夷(ゑぞ)長崎へも到りヱヘンといふ響きのうちに奈良大和へも遊ぶべし况(いは)んや手近の温泉塲など樋(とひ)をかけて東京へ引くは今の間なるべし昔の人が須磨明石の月も枴(おふご)にかけてふり賣にやせんと冷評せしは實地となること日を待たじ故に地方漫遊のまた名所古跡一覽のと云ふ人は少し出立を我慢して居ながら伊勢の大神宮へ賽錢あぐる便利を待つたが宜さうなもの...
1時間〜
隅田の春
饗庭篁村
第一囘三月二十日、今日は郡司大尉が短艇遠征の行を送るに、兼ねて此壮図に随行して其景況並びに千島の模様を委しく探りて、世間に報道せんとて自ら進みて、雪浪萬重の北洋を職務の為にものともせぬ、我が朝日新聞社員横川勇次氏を送らんと、朝未明に起出て、顔洗ふ間も心せはしく車を急せて向島へと向ふ、常にはあらぬ市中の賑(にぎ)はひ、三々五々勇ましげに語り合ふて、其方さして歩む人は皆大尉の行を送るの人なるべし、両国橋にさしかゝりしは午前七時三十分、早や橋の北側は人垣と立つどひ、川上...
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饗庭篁村
予は越後三条の生れなり。
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