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伊藤野枝の全作品

青空文庫で公開されている伊藤野枝の全作品81篇を、おすすめ人気順で表示しています。

1〜50件 / 全81件
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今から廿年ばかり前に、北九州の或村はづれに一人の年老つた乞食が、行き倒れてゐました。
女教員の縊死と題して大阪朝日に記されてゐた事柄は、大阪市内の某校の女教師が母と一緒に暮してゐてそのうち養子を迎へたがどうしても仲よくすることが出来ずに争ひがたえなかったが[#「たえなかったが」はママ]或日も午後の七時頃から買物に出かけて十時頃かへつたがあまり外出の時間が長いと小言を云はれてそれから大げんかをしたが翌日またそのつゞきがあつて結局女は二階にあがつて縊死を遂たと云ふのだが実に下だらない事に死んだものだとしか私には思はれない。
裏の松原でサラツサラツと砂の上の落松葉を掻きよせる音が高く晴れ渡つた大空に、如何にも気持のよいリズムをもつて響き渡つてゐます。
静かな読書生活受附の看守が指した直ぐ向側の『面会人控所』の扉は重く閉されてゐた。
ああ!漸く、ほんとにやうやく、今日もまた今のびのびと体を投げ出すことの出来る時が来ました。
深い悩みが、其の夜も、とし子を強く捉へてゐた。
森田草平氏四年ばかりも前に鴈治郎が新富座で椀久を出した時に、私と哥津ちやんと保持さんが見にゆく約束をしました。
今から、六七年ばかり以前に、私の郷里で非常に善良なをとなしい一人の女教師が、自宅の前の溜池で自殺を遂げた事があります。
宛先大坂市西区松島十返町武部種吉様方発信地東京市外巣鴨村宮仲二五八三前略おかはりはありませんか、私も元気でゐます故御安心下さい。
「妹に送る手紙」水野葉舟氏著(定価五拾銭)実業之日本社発行読み終つた時にこの手紙を受とるといふ単純な美しい処女のお澪(みお)さんを想つた。
発信地東京市小石川区指ヶ谷町九二お手紙拝見、おたづねのこと、もつての外のことにて御返事のかぎりにこれなく候。
□毎月校正を済ますとほつとしますけれども直ぐ後からいら/\して来ます。
■福岡県の女は佐賀県や、熊本県の同性のやうに、海外に密航して浅ましい生活するのは少いやうですが、小学校や、女学校を出た後、米国などへ行つて人の妻となり、健全な家庭を作つてゐるのは、少くはないやうです、殊に私の生れた糸島郡などは、此の米国行きの婦人は大変なものです。
東の磯の離れ岩、その褐色の岩の背に、今日もとまつたケエツブロウよ、何故にお前はそのやうにかなしい声してお泣きやる。
宛先東京市麹町区三番町六四第一福四萬館発信地千葉県夷隅郡御宿上野屋旅館停車場を出ると、前の支店でしばらく休んで、それから宿に帰へりました。
こちらへまゐりましてからまだしみじみおちついた気持になれないうちに東京からは後から/\いろ/\な面倒なことを言つて来たり何かして本当によはりきつて居ます其為めにまだ何所へも手紙らしい手紙もかけずに原稿もかけず何にも手につきません。
宛先大坂市西区松島十返町武部種吉様方発信地東京市外巣鴨村宮仲二五八三お手紙拝見。
痴人の懺悔(ストリンドベルヒ著[#改行]木村荘太訳)(定価一円六十銭[#改行]洛陽堂発行)ストリンドベルヒの自伝の一部で氏の最初の結婚生活を書いたもので御座います。
宛先東京市麹町区三番町六四第一福四萬館発信地千葉県夷隅郡御宿上野屋旅館あなたは本当にひどいんですね。
□今月号の従妹に宛てた私の手紙は実におはづかしいものだ。
月刊『相対』本郷区駒込林町二三〇相対社発行。
宛先東京市麹町区三番町六四第一福四萬館発信地千葉県夷隅郡御宿上野屋旅館ゆふべ、つくと直ぐに手紙を書き出しましたけれど、腰が痛んで気持が悪いので止めました。
宛先東京市麹町区三番町六四第一福四萬館発信地大阪市北区上福島すこし甘へたくなつたから、また手紙を書きたいの。
□此度こそは少しどうにかと思ひ/\次号へ次号へと逐はれて一向思つた半分も出来ません。
□先月は大変発行が後れましたから今月はと思つてゐましたけれど矢張り原稿の集め方がおそかつたのと手廻しよくゆかないためにまた後れました。
□此の間中央新聞の白田天坡といふ記者が事務所に来て皆に会ひ度いと云つたさうです。
宛先東京市麹町区三番町六四第一福四萬館発信地千葉県夷隅郡御宿上野屋旅館ひどい嵐です。
宛先東京市麹町区三番町六四第一福四萬館発信地千葉県夷隅郡御宿上野屋旅館今日は朝からちつとも仕事が出来ないので困つてゐましたの。
□今月は校正の出方が大変に後れました為めにおそくなりました。
宛先東京市麹町区三番町六四第一福四萬館発信地千葉県夷隅郡御宿上野屋旅館会ひたくない人に無理に会はなくてもよろしうございます。
宛先東京市麹町区三番町六四第一福四萬館発信地千葉県夷隅郡御宿上野屋旅館昨日のあらしがひどかつたので、別荘の掃除が大変だと云つて、おひるから婆やがひまを貰ひたいと云ひだしましたので、今日は午後からお守りをして暮しました。
□種々なうはさに幾分不安をお感じになつた方が読者の間にも多少あつたことゝ思ひます。
宛先東京市麹町区三番町六四第一福四萬館発信地千葉県夷隅郡御宿上野屋旅館今日あなたからお手紙を頂けようとは思へませんでしたのに、本当にうれしうございました。
新らしい女は今迄の女の歩み古した足跡を何時までもさがして歩いては行かない。
宛先東京市麹町区三番町六四第一福四萬館発信地千葉県夷隅郡御宿上野屋旅館雑誌ありがたう御座いました。
□先月号は風俗壊乱と云ふ名の下に発売を禁止されました。
細々した日々の感想を洩れなく書きつけて見たらばと思ふが、まだなか/\さうは行かないものである。
宛先東京市麹町区三番町六四第一福四萬館発信地千葉県夷隅郡御宿上野屋旅館ゆふべ、また、二階の室に行つて、ひとりであの広い蚊帳のなかにすはつて手紙を書き続けようとしましたけれども、いろんな事を考へ始めましたら、苦しくなつてとても続けられませんでしたから止めて、ぢつと眼をつぶつて一時頃まで考へてゐました。
世間には可成に女を知りぬいたつもりで、かれこれと女を批評する男が尠(すくな)くないやうですが、それが大抵九分九厘迄は当つてゐないので、こちらの耳へは寧ろ滑稽に聞える位なものです。
□先月は随分つまらないものを出したので大分方々からおしかりを受けました。
宛先東京市麹町区三番町六四第一福四萬館発信地千葉県夷隅郡御宿上野屋旅館今日は朝ハガキを書いたつきりでしたね。
□永い間不如意な経済の遣繰りや方々の書店との交渉やそれからまだ外の細々した面倒な仕事と雑誌の編輯で疲れきつたらいてう氏は十月十二日に千葉県の御宿村へ行つた。
□編輯室も随分賑やかでしたけれ共とう/\私一人にされてしまひました。
どんな性格の男に敬愛を捧げるかと云ふ問に対して理想を云へば、何れ鐘太鼓でさがしても、見つからぬやうなせひぜひ虫のいゝ事を並べても見られませうが、先づ手つ取り早く彼のやうな男がと云ふやうなのを云へば、これも実在の男ではありませんが、アルツバシエエフによつて描かれた、サニンが好きです。
利欲一点張りの父と思想上の衝突からと云ふ註をつけて女子美術学校を中途でやめた松尾松子と云ふ婦人が将来画家としてたつゝもりで自宅で退学後も研究中の処父は彼女を歯科医として教育することにし度々意見の衝突をしたあげく不本意ながら父の意に従ふことになり近々専門校に入学して研究する筈になつてゐたが矢張り画を描くことを思ひ切ることが出来ずに煩悶し近き頃は家人ともろく/\口もきかず一室にとぢこもつて絵をのみかき哲学の書なども耽読してゐたが何時か自殺を決心して十八日午前二時画用の黄と青の毒絵の具を多量に...
□今月号は大変後れてしまひました。
宛先東京市麹町区三番町六四第一福四萬館発信地大阪市北区上福島昨日はとうたうはがきを書く事も出来ませんで失礼して仕舞ひました。
宛先東京代々木発信地小石川区指ヶ谷町青鞜社お手紙拝見いたしました。
宛先東京市麹町区三番町六四第一福四萬館発信地千葉県夷隅郡御宿上野屋旅館今、安成(二郎)さんがお帰りになつたところです。
宛先東京市麹町区三番町六四第一福四萬館発信地千葉県夷隅郡御宿上野屋旅館今朝も、あなたからのおたよりを待つてゐましたのに来ないで、長い/\お八重さんからの手紙が来ました。
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