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南部修太郎の全作品

青空文庫で公開されている南部修太郎の全作品26篇を、おすすめ人気順で表示しています。

1〜26件 / 全26件
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話はだいぶ古めくが、大正十一年の秋の或(あ)る一夜のことだ。
五月のある晴れた土曜日の夕方[#ルビの「がた」は底本では「かた」]だつた。
明治二十五年の秋、仙臺で生れた。
妖怪と云ふものが昔の妖怪話の妖怪畫などに現はれて[#「現はれて」は底本では「現はて」]ゐるやうな異樣、奇怪、凄慘などの極端に誇張された存在でない事は、少くとも客觀的存在でない事は、今更ら云ふまでもない話であるが、これを精神上の一種の主觀的存在、云ひ換へれば、人間の幻覺或は錯覺としてみる時は確にあり得るもののやうに思はれる。
秦の始皇が不老の藥を求めた話はもうあまりに人口に膾炙してゐるが、この不老とは單に長生きをすると云ふ意味でなしに、老いてなほ色欲の享樂に堪へ得る旺盛な體力を求めるのが根本である事は云ふまでもあるまい。
=1=町内の好敵手住み馴(な)れてやがて三十年、今では僕も町内一二の古顏(かほ)になつてしまつたが、麻布區新龍(りう)土町といふと、うしろに歩兵第三聯隊のモダアン兵營(えい)を控えた戸數(すう)六七十の一區劃(くわく)だが、ロオマ法王使節館、土耳古公使館、佛蘭士大使館武官館以下西洋人の住宅が非常に多い外になかなか特色のある住人を持つてゐる。
一、有島武郎氏私は有島武郎さんの作品を讀(よ)んで、作品のうちに滲(にじ)んでゐる作者の心の世界といふものゝ大きさや、強さといふものを深く感じます。
最近、偶然に文藝作品の映畫化されたものをつゞけて三つ見た。
忌憚なく云ふと、私は現在の芥川龍之介氏の芸術に対して何にも云ひたくはないのである。
ある時、Wと云(い)ふ中年の刑事が私にこんな事を話し聞かせた。
球突の球の響アントン・チエエホフの名戯曲「櫻(さくら)の園」の第三幕目の舞台の左奧(おく)手には球突塲がある心になつてゐる。
◇寫眞(しやしん)も、この頃は猫も杓(しやく)子もやるといふ風な、はやり物になつて、それに趣味を持つなどゝいふのが變(へん)に當(あ)たり前過ぎる感じで、却て氣(き)がひけるやうなことにさへなつてしまつた。
それが癖のいつものふとした出來心で、銀座の散歩の道すがら、畫家の夫はペルシア更紗の壁掛を買つて來(き)た。
忘れもしない、あれは大正五年十月なかばの或(あ)る夜のことであつた。
霧の深い、暖かな晩だつた。
霧の深い六月の夜だつた。
「まあ皆、聞いて呉れ給へ。
女盗南部修太郎女は黒い、小型の旅行鞄をさげた赤帽のあとから、空氣草履の足擦り靜に車内へはいつて來た。
十七の五月だつた。
「好いかよう……」と、若い水夫の一人が、間延びのした太い聲で叫びながら船尾の纜(ともづな)を放すと、鈍い汽笛がまどろむやうに海面を掠めて、船は靜かに函館の舊棧橋を離れた。
高橋順介、それが猫又先生の本名である。
頭の禿げた、うす穢いフロツク姿の老人の指揮者がひよいと立ち上つて指揮棒を振ると、何回目かの、相變らず下品な調子のフオツクス・トロツトが演奏團席の方で始まつた。
――水野敬三より妻の藤子に宛てた手記――昨日、宵の内から降り出したしめやかな秋雨が、今日も硝子戸の外にけぶつてゐる。
猫の唸聲「ふウん、臺所に電氣がついてる‥‥」凍りついた雪の道に思はず足を止めて、若い農夫のカアルソンは宵闇の中に黒く浮んでゐる二階建の別荘の方へおびえたやうな視線を投げた。
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