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児童書版

葛飾砂子

泉鏡花
『葛飾砂子』は青空文庫で公開されている泉鏡花の中編作品。21,379文字で、おおよそ60分以内で読むことができます。
文字数
60分以内   21,379 文字
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書き出し
縁日柳行李橋ぞろえ題目船衣の雫浅緑記念ながら[#改ページ]縁日先年尾上家の養子で橘之助といった名題俳優が、年紀二十有五に満たず、肺を煩い、余り胸が痛いから白菊の露が飲みたいという意味の辞世の句を残して儚(はかの)うなり、贔屓(ひいき)の人々は謂(い)うまでもなく、見巧者をはじめ、芸人の仲間にも、あわれ梨園の眺め唯一の、白百合一つ萎んだりと、声を上げて惜しみ悼まれたほどのことである。
初出
底本
「泉鏡花集成3」ちくま文庫、筑摩書房, 1996(平成8)年1月24日
表記
新字新仮名
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