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30分以内で読める樋口一葉の短編作品

青空文庫で公開されている樋口一葉の作品の中で、おおよその読了目安時間が「30分以内」の短編17作品を、おすすめ人気順に表示しています。
(4,001〜12,000文字の作品を対象としています。読了時間は「400字/分」の読書スピードで計算した場合の目安です)


1〜17件 / 全17件

作品名 著者 読了時間 人気 書き出し
作品名 著者 読了時間 人気
大つごもり 樋口一葉
30分以内
  9,947 文字
(上)井戸は車にて綱の長さ十二尋、勝手は北向きにて師走の空のから風ひゆう/\と吹ぬきの寒さ、お...
大つごもり 樋口一葉
(上)井戸は車にて綱の長さ十二尋、勝手は北向きにて師走の空のから風ひゆう/\と吹ぬきの寒さ、おゝ堪えがたと竈(かまど)の前に火なぶりの一分は一時にのびて、割木ほどの事も大臺にして叱りとばさるゝ婢女の身つらや、はじめ受宿の老媼さまが言葉には御子樣がたは男女六人、なれども常住内にお出あそばすは御總領と末お二人、少し御新造は機嫌かいなれど、目色顏色呑みこんで仕舞へば大した事もなく、結句おだてに乘る質なれば、御前の出樣一つで半襟半がけ前垂の紐にも事は缺くまじ、御身代は町...
闇桜
(1892年)
樋口一葉
30分以内
  4,663 文字
(上)隔ては中垣の建仁寺にゆづりて汲(くみ)かはす庭井の水の交はりの底きよく深く軒端に咲く梅一...
闇桜 樋口一葉
(上)隔ては中垣の建仁寺にゆづりて汲(くみ)かはす庭井の水の交はりの底きよく深く軒端に咲く梅一木に両家の春を見せて薫りも分ち合ふ中村園田と呼ぶ宿あり園田の主人は一昨年なくなりて相続は良之助廿二の若者何某学校の通学生とかや中村のかたには娘只一人男子もありたれど早世しての一粒ものとて寵愛はいとゞ手のうちの玉かざしの花に吹かぬ風まづいとひて願ふはあし田鶴の齢ながゝれとにや千代となづけし親心にぞ見ゆらんものよ栴檀(せんだん)の二葉三ツ四ツより行末さぞと世の人のほめものにせし姿...
さをのしづく 樋口一葉
30分以内
  4,824 文字
ある人のもとにて紫式部と清少納言のよしあしいかになどいふ事の侍りし人は式部/\とたゞほめにほめ...
さをのしづく 樋口一葉
ある人のもとにて紫式部と清少納言のよしあしいかになどいふ事の侍りし人は式部/\とたゞほめにほめぬしかあらんそれさる事ながら清はらのおもとは世にあはれの人也名家の末なれば世のおぼえもかろからざりしやしらず万に女ははかなき物なればはか/″\しき後見などもなくてはふれけむほどうしつらしなどみにしみぬべき事ぞ多かりけらしやう/\宮づかへに出初ぬる後宮の御いつくしみにさる人ありとしられ初て香爐峯の雪に簾をまくなど才たけたりとはかくしてぞあらはれぬ少納言は心づからと身をもてなすよりはかくあ...
わかれ道 樋口一葉
30分以内
  6,907 文字
上お京さん居ますかと窓の戸の外に來て、こと/\と羽目を敲(たゝ)く音のするに、誰れだえ、もう寐...
わかれ道 樋口一葉
上お京さん居ますかと窓の戸の外に來て、こと/\と羽目を敲(たゝ)く音のするに、誰れだえ、もう寐て仕舞つたから明日來てお呉れと嘘を言へば、寐たつて宜いやね、起きて明けてお呉んなさい、傘屋の吉だよ、己れだよと少し高く言へば、嫌な子だね此樣な遲くに何を言ひに來たか、又お餅のおねだりか、と笑つて、今あけるよ少時辛棒おしと言ひながら、仕立かけの縫物に針どめして立つは年頃二十餘りの意氣な女、多い髮の毛を忙しい折からとて結び髮にして、少し長めな八丈の前だれ、お召の臺なしな半天...
大つごもり
(1894年)
樋口一葉
30分以内
  10,121 文字
上井戸は車にて綱の長さ十二尋、勝手は北向きにて師走の空のから風ひゆうひゆうと吹ぬきの寒さ、おお...
大つごもり 樋口一葉
上井戸は車にて綱の長さ十二尋、勝手は北向きにて師走の空のから風ひゆうひゆうと吹ぬきの寒さ、おお堪えがたと竈(かまど)の前に火なぶりの一分は一時にのびて、割木ほどの事も大台にして叱(しか)りとばさるる婢女の身つらや、はじめ受宿の老媼さまが言葉には御子様がたは男女六人、なれども常住家内にお出あそばすは御総領と末お二人、少し御新造は機嫌かいなれど、目色顔色を呑(の)みこんでしまへば大した事もなく、結句おだてに乗る質なれば、御前の出様一つで半襟半がけ前垂の紐(ひも)にも事は欠くまじ、...
うつせみ
(1895年)
樋口一葉
30分以内
  8,470 文字
家の間数は三畳敷の玄関までを入れて五間、手狭なれども北南吹とほしの風入りよく、庭は広々として植...
うつせみ 樋口一葉
家の間数は三畳敷の玄関までを入れて五間、手狭なれども北南吹とほしの風入りよく、庭は広々として植込の木立も茂ければ、夏の住居にうつてつけと見えて、場処も小石川の植物園にちかく物静なれば、少しの不便を疵(きず)にして他には申旨のなき貸家ありけり、門の柱に札をはりしより大凡三月ごしにも成けれど、いまだに住人のさだまらで、主なき門の柳のいと、空しくなびくも淋(さび)しかりき、家は何処までも奇麗にて見こみの好ければ、日のうちには二人三人の拝見をとて来るものも無きにはあらねど、敷金三月...
わかれ道
(1896年)
樋口一葉
30分以内
  7,021 文字
上お京さん居ますかと窓の戸の外に来て、ことことと羽目を敲(たた)く音のするに、誰れだえ、もう寐...
わかれ道 樋口一葉
上お京さん居ますかと窓の戸の外に来て、ことことと羽目を敲(たた)く音のするに、誰れだえ、もう寐(ね)てしまつたから明日来ておくれと嘘(うそ)を言へば、寐たつて宜いやね、起きて明けておくんなさい、傘屋の吉だよ、己れだよと少し高く言へば、嫌な子だねこんな遅くに何を言ひに来たか、又御餅のおねだりか、と笑つて、今あけるよ少時辛棒おしと言ひながら、仕立かけの縫物に針どめして立つは年頃二十余りの意気な女、多い髪の毛を忙がしい折からとて結び髪にして、少し長めな八丈の前だれ、お召の台なしな半...
この子
(1896年)
樋口一葉
30分以内
  6,828 文字
口に出して私が我子が可愛いといふ事を申したら、嘸(さぞ)皆樣は大笑ひを遊ばしましやう、それは何...
この子 樋口一葉
口に出して私が我子が可愛いといふ事を申したら、嘸(さぞ)皆樣は大笑ひを遊ばしましやう、それは何方だからとて我子の憎いはありませぬもの、取たてゝ何も斯(か)う自分ばかり美事な寶(たから)を持つて居るやうに誇り顏(がほ)に申すことの可笑しいをお笑ひに成りましやう、だから私は口に出して其樣(そん)な仰山らしい事は言ひませぬけれど、心のうちではほんに/\可愛いの憎いのではありませぬ、掌を合せて拜(をが)まぬばかり辱ないと思ふて居りまする。
ゆく雲
(1895年)
樋口一葉
30分以内
  9,564 文字
上酒折の宮、山梨の岡、塩山、裂石、さし手の名も都人の耳に聞きなれぬは、小仏ささ子の難処を越して...
ゆく雲 樋口一葉
上酒折の宮、山梨の岡、塩山、裂石、さし手の名も都人の耳に聞きなれぬは、小仏ささ子の難処を越して猿橋のながれに眩(めくる)めき、鶴瀬、駒飼見るほどの里もなきに、勝沼の町とても東京にての場末ぞかし、甲府はさすがに大厦高楼、躑躅(つつじ)が崎の城跡など見る処のありとは言へど、汽車の便りよき頃にならば知らず、こと更の馬車腕車に一昼夜をゆられて、いざ恵林寺の桜見にといふ人はあるまじ、故郷なればこそ年々の夏休みにも、人は箱根伊香保ともよふし立つる中を、我れのみ一人あし曳(びき)の山の甲斐...
経つくゑ
(1892年)
樋口一葉
30分以内
  7,970 文字
※(きず)一※(きず)哀れ手向の花一枝に千年のちぎり萬年の情をつくして、誰れに操の身はひとり住...
経つくゑ 樋口一葉
※(きず)一※(きず)哀れ手向の花一枝に千年のちぎり萬年の情をつくして、誰れに操の身はひとり住、あたら美形を月花にそむけて、世は何時ぞとも知らず顏(がほ)に、繰るや珠數の緒の引かれては御佛輪廻にまよひぬべし、ありしは何時の七夕の夜、なにと盟ひて比翼の鳥の片羽をうらみ、無常の風を連理の枝に憤りつ、此處(こヽ)閑窓のうち机上の香爐に絶えぬ烟(けふ)りの主はと問へば、答へはぽろり襦袢(じゆばん)の袖に露を置きて、言はぬ素性の聞きたきは無理か、かくすに顯(あら)はるヽが世の常ぞかし。
軒もる月
(1895年)
樋口一葉
30分以内
  4,040 文字
我が良人は今宵も歸(かへ)りのおそくおはしますよ、我が子は早く睡りしに歸(かへ)らせ給はゞ興な...
軒もる月 樋口一葉
我が良人は今宵も歸(かへ)りのおそくおはしますよ、我が子は早く睡りしに歸(かへ)らせ給はゞ興なくや思さん、大路の霜に月氷りて踏む足いかに冷たからん、炬燵(こたつ)の火もいとよし、酒もあたゝめんばかりなるを、時は今何時にか、あれ、空に聞ゆるは上野の鐘ならん、二つ三つ四つ、八時か、否、九時になりけり、さても遲(おそ)くおはします事かな、いつも九時のかねは膳の上にて聞き給ふを、それよ今宵よりは一時づゝの仕事を延ばして此子が爲(ため)の收入を多くせんと仰せられしなりき、火氣の滿(みち)たる室にて...
わかれ道
(1896年)
樋口一葉
30分以内
  7,692 文字
上お京さん居ますかと窓の戸の外に來(き)て、こと/\と羽目を敲(たゝ)く音のするに、誰れだえ、...
わかれ道 樋口一葉
上お京さん居ますかと窓の戸の外に來(き)て、こと/\と羽目を敲(たゝ)く音のするに、誰れだえ、もう寢(ね)て仕舞つたから明日來(き)てお呉れと嘘(うそ)を言へば、寢(ね)たつて宜いやね、起きて明けてお呉んなさい、傘屋の吉だよ、己れだよと少し高く言へば、いやな子だね此樣(こん)な遲(おそ)くに何を言ひに來(き)たか、又お餅のおねだりか、と笑つて、今あけるよ少時辛防おしと言ひながら、仕立かけの縫物に針どめして立つは年頃二十餘りの意氣な女、多い髮(かみ)の毛を忙しい折からとて結び髮...
うつせみ
(1895年)
樋口一葉
30分以内
  8,347 文字
家の間數は三疊敷の玄關までを入れて五間、手狹なれども北南吹とほしの風入りよく、庭は廣々として植...
うつせみ 樋口一葉
家の間數は三疊敷の玄關までを入れて五間、手狹なれども北南吹とほしの風入りよく、庭は廣々として植込の木立も茂ければ、夏の住居にうつてつけと見えて、場處も小石川の植物園にちかく物靜なれば、少しの不便を疵(きず)にして他には申旨のなき貸家ありけり、門の柱に札をはりしより大凡三月ごしにも成けれど、いまだに住人のさだまらで、主なき門の柳のいと、空しくなびくも淋しかりき、家は何處までも奇麗にて見こみの好ければ、日のうちには二人三人の拜見をとて來るものも無きにはあらねど...
うつせみ
(1895年)
樋口一葉
30分以内
  9,108 文字
家の間數は三疊敷の玄關までを入れて五間、手狹なれども北南吹とほしの風入りよく、庭は廣々(ひろ/...
うつせみ 樋口一葉
家の間數は三疊敷の玄關までを入れて五間、手狹なれども北南吹とほしの風入りよく、庭は廣々(ひろ/″\)として植込の木立も茂ければ、夏の住居にうつてつけと見えて、場處も小石川の植物園にちかく物靜なれば、少しの不便を疵(きず)にして他には申す旨のなき貸家ありけり、門の柱に札をはりしより大凡三月ごしにもなりけれど、いまだに住人のさだまらで、主なき門の柳のいと、空しくなびくも淋(さび)しかりき。
ゆく雲 樋口一葉
30分以内
  9,380 文字
上酒折の宮、山梨の岡、鹽山、裂石、さし手の名も都人の耳に聞きなれぬは、小佛さゝ子の難處を越して...
ゆく雲 樋口一葉
上酒折の宮、山梨の岡、鹽山、裂石、さし手の名も都人の耳に聞きなれぬは、小佛さゝ子の難處を越して猿橋のながれに眩(めくる)めき、鶴瀬、駒飼見るほどの里もなきに、勝沼の町とても東京にての場末ぞかし、甲府は流石に大厦高樓、躑躅(つゝじ)が崎の城跡など見る處のありとは言へど、汽車の便りよき頃にならば知らず、こと更の馬車腕車に一晝夜をゆられて、いざ惠林寺の櫻見にといふ人はあるまじ、故郷なればこそ年々の夏休みにも、人は箱根伊香保ともよふし立つる中を、我れのみ一人あし曳の山の...
たま襻
(1892年)
樋口一葉
30分以内
  9,795 文字
上のをかしかるべき世を空蝉のと捨て物にして今歳十九年、天のなせる麗質、をしや埋木の春またぬ身に...
たま襻 樋口一葉
上のをかしかるべき世を空蝉のと捨て物にして今歳十九年、天のなせる麗質、をしや埋木の春またぬ身に、青柳いと子と名のみ聞ても姿しのばるゝ優しの人品、それも其筈(そのはず)昔しをくれば系圖の卷(まき)のこと長けれど、徳川の流れ末つかた波まだ立たぬ江戸時代に、御用お側お取次と長銘うつて、席を八萬(まん)騎の上坐に占めし青柳右京が三世の孫、流轉の世に生れ合はせては、姫と呼ばれしことも無けれど、面影みゆる長襦袢の縫もよう、母が形見か地赤の色の、褪色て殘(のこ)るも哀いたまし、住む所は何方、む...
ゆく雲
(1895年)
樋口一葉
30分以内
  10,402 文字
記者曰、一葉女史樋口夏子の君は明治五年をもて東京に生まれ、久しく中島歌子女史を師として今尚歌文...
ゆく雲 樋口一葉
記者曰、一葉女史樋口夏子の君は明治五年をもて東京に生まれ、久しく中島歌子女史を師として今尚歌文を學ばる※(びん)傍、武藏野、都の花、文學界等の諸雜誌に新作小説多く見えぬ、(上)酒折の宮、山梨の岡、鹽山、裂石、さし手の名も都人の耳に聞きなれぬは、小佛さゝ子の難處を越して猿橋のながれに眩(めくる)めき、鶴瀬、駒飼見るほどの里もなきに、勝沼の町とても東京にての塲末ぞかし、甲府は流石に大厦高樓、躑躅(つつじ)が崎の城跡など見る處(ところ)のありとは言へど、汽車の便り...
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