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TOP 樋口一葉 短編(10分以内)

10分以内で読める樋口一葉の短編作品

青空文庫で公開されている樋口一葉の作品の中で、おおよその読了目安時間が「10分以内」の短編5作品を、おすすめ人気順に表示しています。

(2,001〜4,000文字の作品を対象としています。読了時間は「400字/分」の読書スピードで計算した場合の目安です)
1〜5件 / 全5件
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上夕暮の店先に郵便脚夫が投込んで行きし女文字の書状一通、炬燵(こたつ)の間の洋燈のかげに讀(よ)んで、くる/\と帶(おび)の間へ卷收(まきをさ)むれば起居に心の配られて物案じなる事一通りならず、おのづと色に見えて、結構人の旦那どの、何うぞしたかとお問ひのかゝるに、いえ、格別の事でも御座りますまいけれど、仲町の姉が何やら心配の事が有るほどに、此方から行けば宜いのなれど、やかましやの良人が暇といふては毛筋ほども明けさせて呉れぬ五月蠅さ、夜分なりと歸(かへ)りは此方から送らせうほど...
(上)空に月日のかはる光りなく、春さく花のゝどけさは浮世万人おなじかるべきを、梢のあらし此処にばかり騒ぐか、あはれ罪なき身ひとつを枝葉ちりちりの不運に、むごや十四年が春秋を雨にうたれ風にふかれ、わづかに残る玉の緒の我れとくやしき境界にたゞよふ子あり。
あやしうつむりのなやましうて、夢のやうなるきのふ今日、うき世はしげるわか葉のかげに、初ほとゝぎすなきわたる頃を、こぞの秋袷ふるめかしう取出ぬる、さりとは心もなしや。
見渡すかぎり地は銀沙を敷きて、舞ふや蝴蝶((こてふ))の羽そで軽く、枯木も春の六花の眺めを、世にある人は歌にも詠み詩にも作り、月花に並べて称ゆらん浦山しさよ、あはれ忘れがたき昔しを思へば、降りに降る雪くちをしく悲しく、悔の八千度その甲斐もなけれど、勿躰((もつたい))なや父祖累代墳墓の地を捨てゝ、養育の恩ふかき伯母君にも背き、我が名の珠に恥かしき今日、親は瑕((きず))なかれとこそ名づけ給ひけめ、瓦に劣る世を経よとは思しも置かじを、そもや谷川の水おちて流がれて、清からぬ身に成り終りし、其...
「我が良人は今宵も帰りのおそくおはしますよ。
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