ブンゴウサーチ
児童書版

うらむらさき

樋口一葉
『うらむらさき』は青空文庫で公開されている樋口一葉の短編作品。2,827文字で、おおよそ10分以内で読むことができます。
文字数
10分以内   2,827 文字
人気
  1,586 PV
書き出し
上夕暮の店先に郵便脚夫が投込んで行きし女文字の書状一通、炬燵(こたつ)の間の洋燈のかげに讀(よ)んで、くる/\と帶(おび)の間へ卷收(まきをさ)むれば起居に心の配られて物案じなる事一通りならず、おのづと色に見えて、結構人の旦那どの、何うぞしたかとお問ひのかゝるに、いえ、格別の事でも御座りますまいけれど、仲町の姉が何やら心配の事が有るほどに、此方から行けば宜いのなれど、やかましやの良人が暇といふては毛筋ほども明けさせて呉れぬ五月蠅さ、夜分なりと歸(かへ)りは此方から送らせうほど...
初出
1896年   (「新文壇 二號」1896(明治29)年2月5日)
底本
「樋口一葉全集第二卷」新世社, 1941(昭和16)年7月18日
表記
旧字旧仮名
※「人気」は青空文庫の過去10年分のアクセスランキングを集計した累計アクセス数から算出しています。

樋口一葉 の人気作品

たけくらべ
樋口一葉
廻れば大門の見返り柳いと長けれど、お歯ぐろ溝に燈火うつる三階の騒ぎも手に取る如く、明けくれなしの車の行来にはかり知られぬ全盛をうらなひて、大音寺前と名は仏くさけれど、さりとは陽気の町と住みたる人の申き、三嶋神社の角をまがりてよりこれぞと見ゆる大厦もなく、かたぶく軒端の十軒長屋二十軒長や、商ひはかつふつ利かぬ処とて半さしたる雨戸の外に、あやしき形に紙を切りなして、胡粉ぬりくり彩色のある田楽みるやう、裏にはりたる串のさまもをかし、一軒ならず二軒ならず、朝日に干して夕日にしまふ手...
1時間〜
たけくらべ
樋口一葉
廻れば大門の見返り柳いと長けれど、お齒ぐろ溝に燈火うつる三階の騷ぎも手に取る如く、明けくれなしの車の行來にはかり知られぬ全盛をうらなひて、大音寺前と名は佛くさけれど、さりとは陽氣の町と住みたる人の申き、三嶋神社の角をまがりてより是れぞと見ゆる大厦もなく、かたぶく軒端の十軒長屋二十軒長や、商ひはかつふつ利かぬ處とて半さしたる雨戸の外に、あやしき形に紙を切りなして、胡粉ぬりくり彩色のある田樂みるやう、裏にはりたる串のさまもをかし、一軒ならず二軒ならず、朝日に干して夕日に仕舞ふ手...
1時間〜
にごりえ
樋口一葉
おい木村さん信さん寄つてお出よ、お寄りといつたら寄つても宜いではないか、又素通りで二葉やへ行く気だらう、押かけて行つて引ずつて来るからさう思ひな、ほんとにお湯なら帰りにきつとよつておくれよ、嘘(うそ)つ吐きだから何を言ふか知れやしないと店先に立つて馴染らしき突かけ下駄の男をとらへて小言をいふやうな物の言ひぶり、腹も立たずか言訳しながら後刻に後刻にと行過るあとを、一寸舌打しながら見送つて後にも無いもんだ来る気もない癖に、本当に女房もちに成つては仕方がないねと店に向つて閾(しき...
60分以内
にごりえ
樋口一葉
おい木村さん信さん寄つてお出よ、お寄りといつたら寄つても宜いではないか、又素通りで二葉やへ行く氣だらう、押かけて行つて引ずつて來るからさう思ひな、ほんとにお湯なら歸りに屹度よつてお呉れよ、嘘つ吐きだから何を言ふか知れやしないと店先に立つて馴染らしき突かけ下駄の男をとらへて小言をいふやうな物の言ひぶり、腹も立たずか言譯しながら後刻に後刻にと行過るあとを、一寸舌打しながら見送つて後にも無いもんだ來る氣もない癖に、本當に女房もちに成つては仕方がないねと店に向つて閾(...
60分以内