ブンゴウサーチ
児童書版

深夜の道士

富永太郎
『深夜の道士』は青空文庫で公開されている富永太郎の短編作品。558文字で、おおよそ5分以内で読むことができます。
文字数
5分以内   558 文字
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書き出し
人語なく、月なき今宵色ねびし窓帷(ぎぬ)の吐息する此の古城なる図書室の中央の遠き異国の材もて組める残忍の相ある堅き牀机にありし日よりの凝固せる大気の重圧に生得の歪(ひづみ)悉皆消散せる一片の此の肉体を枯坐せしめ勇猛なく效(かひ)なき修道なれどなほそが為に日頃捨離せる真夜中の休息を貪りて、また貪らうとはする。
初出
底本
「富永太郎詩集」現代詩文庫、思潮社, 1975(昭和50)年7月10日
表記
新字旧仮名
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