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5分以内で読める宮沢賢治の短編作品(2ページ目)

青空文庫で公開されている宮沢賢治の作品の中で、おおよその読了目安時間が「5分以内」の短編132作品を、おすすめ人気順に表示しています。

(〜2,000文字の作品を対象としています。読了時間は「400字/分」の読書スピードで計算した場合の目安です)
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恋のはじめのおとなひはかの青春に来りけりおなじき第二神来は蒼き上着にありにけりその第三は諸人の栄誉のなかに来りけりいまおゝその四愛憐は何たるぼろの中に来しぞも。
髪白き山田博士が書いだき帰り往くころかはたれはしづに這ひ来てふくよかに木の芽ほごるゝ鳥飛びて気圧を高み守衛長〔以下未完〕ぎごちなき独乙冠詞を青々となげく窓あり。
館は台地のはななれば鳥は岬の火とも見つ香魚釣る人は藪と瀬を低くすかしてわきまへぬ鳥をまがへる赤き蛾は鱗粉きらとうちながし緑の蝦を僭しつゝ浮塵子あかりをめぐりけり。
あくたうかべる朝の水ひらととびかふつばくらめ苗のはこびの遅ければ熊ははぎしり雲を見る苗つけ馬を引ききたり露のすぎなの畔に立ち権は朱塗の盃をましろきそらにあふぐなり。
なべて葡萄に花さきて蜂のふるひのせはしきにをちこち青き銅液の噴霧にひるは来りけりにはかに風のうち死してあたりいよよにまばゆきを見ずやかしこの青きそら友よいざ射て雹の雲。
きみがおもかげうかべんと夜を仰げばこのまひる蝋紙に描きし北上の水線青くひかるなれ竜や棲みしと伝へたるこのこもりぬの辺を来れば夜ぞらに泛ぶ水線の火花となりて青々と散る。
白きそらいと近くしてみねの方鐘さらに鳴り青葉もて埋もる堂のひそけくも暮れにまぢかし僧ひとり縁にうちゐてふくれたるうなじめぐらし義経の彩ある像をゆびさしてそらごとを云ふ。
竜王の名をしるしたる紺の旗黄と朱の旗さうさうと焔はたちて葉桜の梢まばゆし布をもてひげをしばりし行者なほ呪をなしやめずにくさげに立ちて見まもる軍帽をかぶれる教師。
雪とひのきの坂上に粗き板もてゴシックを辛く畳みて写真師の聖のねぐらを営みぬぼたと名づくる雪ふりていましめさけぶ橇のこらよきデュイエットうちふるひひかりて暮るゝガラス屋根。
エレキに魚をとるのみか鳥さへ犯すしれをのこ捕らでやまんと駐在の戸田巡査こそいかめしきまこと楊に磁の乗りて小鳥は鉄のたぐひかやひとむれさつと落ち入りてしらむ梢ぞあやしけれ。
このみちの醸すがごとく粟葉などひかりいでしはひがしなる山彙の上に黄なる月いざよへるなり夏の草山とになひてやうやくに人ら帰るをなにをかもわがかなしまんすゝきの葉露をおとせり。
星のけむりの下にして石組黒くひそめるをさもあしざまに鳴き棄てつくわくこう一羽北に過ぎたり夜のもみぢの木もそびえ御堂の屋根も沈めるをさらに一羽の鳥ありて寒天質の闇に溶けたり。
まくろなる流れの岸に根株燃すゆふべのけむりこらつどひかたみに舞ひてたんぽゝの白き毛をふく丘の上のスリッパ小屋に媼ゐてむすめらに云ふかくてしも畑みな成りてあらたなる艱苦ひらくと。
(二川こゝにて会したり)(いな、和賀の川水雪代ふ夏油のそれの十なればその川ここに入ると云へ)藍と雪とのうすけぶりつらなる尾根のかなたより夏油の川は巌截りてましろき波をながしきぬ。
まひるつとめにまぎらひてきみがおもかげ来ぬひまはこころやすらひはたらきしそのことなにかねたましき新月きみがおももちをつきの梢にかゝぐれば凍れる泥をうちふみてさびしく恋ふるこゝろかな。
もろの崖よりたゆみなく朽ち石まろぶ黒夜谷鳴きどよもせば慈悲心鳥のわれにはつらき睡りかな榾組み直しものおもひものうちおもひ榾組みてはやくも東谷のはて雲にも朱の色立ちぬ。
落ちしのばらの芽はひかり樹液はしづにかはたれぬあゝこの夕つゝましくきみと祈らばよからんをきみきたらずばわが成さんこの園つひにむなしけん西天黄ばみにごれるに雲の黒闇の見もあへず。
モザイク成り、佳人は窓より見るを何ぞ七面鳥の二所をけちらし窪めしや、何の花を移してこゝを埋めん然りたゞ七面鳥なんぢそこに座して動かざれ然り七面鳥動くも又可なりなんぢ事務長のひいきする花。
罪はいま疾にかはりたよりなくわれは騰りて野のそらにひとりまどろむ太虚ひかりてはてしなく身は水素より軽ければまた耕さんすべもなしせめてはかしこ黒と白立ち並びたる積雲を雨と崩して堕ちなんを。
島わにあらき潮騒をうつつの森のなかに聴き羊歯の葉しげき下蔭に青き椿の実をとりぬ南の風のくるほしく波のいぶきを吹き来れば百千鳥すだきわぶる三原の山に燃ゆる火のなかばは雲に鎖されぬ。
なべてはしけくよそほひて暁惑ふ改札をならび出づるとふりかへる人なきホーム陸の橋歳に一夜の旅了へしをとめうなゐのひとむれに黒きけむりをそら高く職場は待てり春の雨。
水はよどみて日はけぶり桜は青き夢の列汝(な)は酔ひ痴れてうちをどる泥洲の上にうちをどる母をはるけきなが弟子は酔はずさびしくそらを見るその蘆生えの蘆に立ちましろきそらをひとり見る。
さ霧する白き木柵幹彫れる桐のいくもと剥げそめし白きペンキの木柵に人人は倚りそのペンキあるいは剥げあるものは庭をのぞめり一鐘のラッパが鳴りて急ぎ行く港先生白堊城秋のガラスはひらごとにうつろなりけり。
ゆがみつゝ月は出でうすぐもは淡くにほへり汽車のおとはかなく恋ごゝろ風のふくらしペンのさやうしなはれ山の稜白くひかれり汽車の音はるけくなみだゆゑ松いとくろしかれ草はさやぎてわが手帳たゞほのかなり。
アナロナビクナビ睡たく桐咲きて峡に瘧のやまひつたはるナビクナビアリナリ赤き幡もちて草の峠を越ゆる母たちナリトナリアナロ御堂のうすあかり毘沙門像に味噌たてまつるアナロナビクナビ踏まるゝ天の邪鬼四方につゝどり鳴きどよむなり。
かぎりなく鳥はすだけどこゝろこそいとそゞろなれ竹行李小きをになひ雲しろき飯場を出でぬみちのべにしやが花さけばかうもりの柄こそわびしきかすかなる霧雨ふりて丘はたゞいちめんの青谷あひの細き棚田に積まれつゝ廐肥もぬれたり。
土をも掘らん汗もせんまれには時に食まざらんさあれわれらはわれらなりながともがらといと遠しにくみいかりしこのことばいくそたびきゝいまもきゝやがてはさのみたゞさのみわが生き得んとうしなへるこゝろとくらきいたつきのさなかにわれもうなづきなんや。
卑屈の友らをいきどほろしく粘土地二片をはしりてよぎり崖にて青草黄金なるを知りのぼりてかれ草黄なるをふめば白雪きららに落ち来るものか一列赤赤ならべるひのきふたゝび卑屈の友らをおもひたかぶるおもひは雲にもまじへかの粘土地なるかの官庁に灰鋳鉄のいかりを投げよ。
廿日月かざす刃は音無しの黒業ひろごるそらのひまその竜之介風もなき修羅のさかひを行き惑ひすゝきすがるゝいのじ原その雲のいろ日は沈み鳥はねぐらにかへれどもひとはかへらぬ修羅の旅その竜之介。
赤き鳥居はあせたれど杉のうれ行く冬の雲野は殿堂の続きかなよくすかれたる日本紙は一年風に完けきと雪の反射に知りぬべしかしこは一の篩にてひとまづそこに香を浄み入り来るなりと云ひ伝ふ雪の堆のなかにしてりゝと軋れる井戸車野は楽の音に充つるかな。
早くもひとり雪をけりはるかの吹雪をはせ行くは木鼠捕りの悦治なり三人ひとしくはせたちて多吉ぞわらひ軋るとき寅は溜りに倒れゐし赤き毛布にくるまりて風くるごとに足小刻むは十にたらざる児らなれや吹雪きたればあとなる児急ぎて前にすがりつゝ一列遠くうすれ行く。
われらひとしく丘に立ち青ぐろくしてぶちうてるあやしきもののひろがりを東はてなくのぞみけりそは巨いなる塩の水海とはおのもさとれども伝へてきゝしそのものとあまりにたがふこゝちしてたゞうつゝなるうすれ日にそのわだつみの潮騒のうろこの国の波がしらきほひ寄するをのぞみゐたりき。
ことことと行く汽車のはて温石いしの萱山の上にひとつの松ありてあるいは雷にうたれしや三角標にまがへりと大上段に真鍮の棒をかざしてさまよへりごみのごとくにあきつとぶ高圧線のま下にて秋をさびしき白服の酒くせあしき土木技手いましも汽車を避け了へてこなたへ来るといまははた急ぎガラスを入りにけり。
われはダルケを名乗れるものとつめたく最後のわかれを交はし閲覧室の三階より白き砂をはるかにたどるこゝちにてその地下室に下り来りかたみに湯と水とを呑めりそのとき瓦斯のマントルはやぶれ焔は葱の華なせば網膜半ば奪はれてその洞黒く錯乱せりしかくてぞわれはその文にダルケと名乗る哲人と永久のわかれをなせるなり。
江釣子森の右肩に雪ぞあやしくひらめけどきみはいまさずルーノの君は見えまさず夜をつまれし枕木黒く群あちこちに安けれどきみはいまさずとゞろにしばし行きかへどきみはいまさずポイントの灯はけむれどもルーノのきみの影はなきあゝきみにびしひかりもてわが青じろき額を射ばわが悩あるは癒えなんに。
ま青きそらの風をふるはしひとりはたらく脱穀機R-R-r-r-r-r-r-r-r脱穀小屋の庇の下に首を垂れたる二疋の馬R-R-r-r-r-r-r-r-r粉雪おぼろにひかりたちはるかにりりと鐘なればうなじをあぐる二疋の馬華やかなりしそのかみのよきギャロップをうちふみてうまやにこそは帰り行くなれ。
洪積の台のはてなる一ひらの赤き粘土地桐の群白くひかれど枝しげくたけ低ければ鍛冶町の米屋五助は今日も来て灰を与へぬ。
外の面には春日うららにありとあるひびきなせるを灰いろのこの館には百の人けはひだになし台の上桜はなさき行楽の士女さゞめかんこの館はひえびえとして泉石をうち繞りたり大居士は眼をいたみはや三月の人の見るなく智応氏はのどをいたづき巾巻きて廊に按ぜり崖下にまた笛鳴りて東へととゞろき行くは北国の春の光を百里経て汽車の着きけん。
歳は世紀に曾つて見ぬ石竹いろと湿潤と人は三年のひでりゆゑ食むべき糧もなしといふ稲かの青き槍の葉は多く倒れてまた起たず六条さては四角なる麦はかじろく空穂しぬこのとききみは千万の人の糧もてかの原に亜鉛のいらか丹を塗りていでゆの町をなすといふこの代あらば野はもつて千年の計をなすべきに徒衣ぜい食のやかららに賤舞の園を供すとか。
日ハ君臨シカガヤキハ白金ノ雨ソソギタリワレラハ黒キ土ニ俯シマコトノ草ノタネマケリ日ハ君臨シ穹窿ニミナギリ亙ス青ビカリ光ノ汗ヲ感ズレバ気圏ノキハミクマモナシ日ハ君臨シ玻璃ノマド清澄ニシテ寂カナリサアレヤミチヲ索メテハ白堊ノ霧モアビヌベシ日ハ君臨シカヾヤキノ太陽系ハマヒルナリケハシキ旅ノナカニシテワレラヒカリノミチヲフム。
漢子称して秘処といふその崖上にたどりしに樺柏に囲まれてはうきだけこそうち群れぬ漢子首巾をきと結ひて黄ばめるものは熟したりなはそを集へわれはたゞ白きを得んと気おひ云ふ漢子が黒き双の脚大コムパスのさまなして草地の黄金をみだるれば峯の火口に風鳴りぬ漢子は蕈を山と負ひ首巾をやゝにめぐらしつ東に青き野をのぞみにと笑みにつゝ先立ちぬ。
歪むガラスのかなたにて藤をまとへるさいかちや西は雪ぐも亙せるに一ひらひかる天の青ひるげせはしく事終へてなにかそぐはぬひとびとの暖炉を囲みあるものはその石墨をこそげたり業を了へたるわかものの官にあるは卑しくて一たび村に帰りしはその音づれも聞えざりたまさかゆれしひばの間を茶羅紗の肩をくすぼらし校長門を出で行けばいよよにゆがむガラスなり。
あらめの衣身にまとひ城より城をへめぐりつ上慢四衆の人ごとに菩薩は礼をなしたまふ(われは不軽ぞかれは慢こは無明なりしかもあれいましも展く法性と菩薩は礼をなし給ふ)われ汝等を尊敬す敢て軽賤なさざるは汝等作仏せん故と菩薩は礼をなし給ふ(こゝにわれなくかれもなしたゞ一乗の法界ぞ法界をこそ拝すれと菩薩は礼をなし給ふ)。
ひかりわななくあけぞらに清麗サフィアのさまなしてきみにたぐへるかの惑星のいま融け行くぞかなしけれ雪をかぶれるびやくしんや百の海岬いま明けてあをうなばらは万葉の古きしらべにひかれるを夜はあやしき積雲のなかより生れてかの星ぞさながらきみのことばもてわれをこととひ燃えけるをよきロダイトのさまなしてひかりわなゝくかのそらに溶け行くとしてひるがへるきみが星こそかなしけれ。
そらのふちは沈んで行き、松の並木のはてばかり黝んだ琥珀をさびしくくゆらし、その町のはづれのたそがれに、大きなひのきが風に乱れてゆれてゐる。
あかりつぎつぎ飛び行けば赭ら顔黒装束のその若者こゝろもそらに席に帰れり衢(まち)覆ふ膠朧光や夜の穹窿を見入りつゝ若者なみだうちながしたり大森をすぎてその若者ひそやかに写真をいだし見まもりにけりげに一夜写真をながめ泪ながし駅々の灯を迎へ送りぬ山山に白雲かゝり夜は明けて若者やゝに面をあげ田原の坂の地形を説けり赭ら顔黒装束のその隼人...
百合掘ると唐鍬をかたぎつひと恋ひて林に行けば濁り田に白き日輪くるほしくうつりゆれたる友らみな大都のなかに入学の試験するらんわれはしも身はうち疾みてこゝろはも恋に疲れぬ森のはていづくにかあれ子ら云へる声ほのかにてはるかなる地平のあたり汽車の音行きわぶごとしこのまひる鳩のまねして松森のうす日のなかにい...
嘆きあひ酌みかふひまに灯はとぼり雑木は昏れて滝やまた稜立つ巌や雪あめのひたに降りきぬ「ただかしこ淀むそらのみかくてわがふるさとにこそ」そのひとりかこちて哭けば狸とも眼はよぼみぬ「すだけるは孔雀ならずやああなんぞ南の鳥をここにして悲しましむる」酒ふくみひとりも泣きぬいくたびか鷹はすだきて手拭は雫をおとし...
霧降る萱の細みちにわれをいぶかり腕組めるなはたくましき漢子かな白き上着はよそへどもひそに醸せるなが酒をうち索めたるわれならずはがねの槌は手にあれどながしづかなる山畑に銅を探らんわれならず検土の杖はになへども四方にすだけるむらどりの一羽もために落ちざらん土をけみして培の企画をなさんつとめのみさあればなれよ高萱の群うち縫へるこのみちをわがためにこそひらけかし権...
夕陽は青めりかの山裾にひろ野はくらめりま夏の雲にかの町はるかの地平に消えておもかげほがらにわらひは遠しふたりぞたゞのみさちありなんとおもへば世界はあまりに暗くかのひとまことにさちありなんとまさしくねがへばこころはあかしいざ起てまことのをのこの恋にもの云ひもの読み苹果を喰めるひとびとまことのさちならざればまことのねがひは充ちしにあらぬ夕陽は青みて木立はひかりをちこちながるゝ草取...
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