書き出し
[#ページの左右中央]この書の体裁は悉く藤島武二先生の意匠に成れり表紙画みだれ髪の輪郭は恋愛の矢のハートを射たるにて矢の根より吹き出でたる花は詩を意味せるなり[#改ページ]臙脂紫夜の帳にささめき尽きし星の今を下界の人の鬢のほつれよ歌にきけな誰れ野の花に紅き否むおもむきあるかな春罪もつ子髪五尺ときなば水にやはらかき少女ごころは秘めて放たじ血ぞもゆるかさむひと夜の夢のやど春を行く人神...
初出
1901年
(「みだれ髪」東京新詩社・伊藤文友館、1901(明治34)年8月15日)
底本
「みだれ髪」新潮文庫、新潮社, 2000(平成12)年1月1日