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60分以内で読める豊島与志雄の中編作品

青空文庫で公開されている豊島与志雄の作品の中で、おおよその読了目安時間が「60分以内」の中編85作品を、おすすめ人気順に表示しています。

(12,001〜24,000文字の作品を対象としています。読了時間は「400字/分」の読書スピードで計算した場合の目安です)
1〜50件 / 全85件
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地球の両極地球は、自分でくるくる回転しながら、また大きく太陽のまはりを廻つてゐます。
朝早くから、子供たちは、みんな、政雄の所に集りました。
公園の占師南洋のある半島の港です。
むかし、インドのある町に、時々、飴うりの爺さんが出てきまして、子供たちにおもしろい話をしてきかせて、うまいまつ白な飴をうつてくれました。
晩春の頃だった。
坂の上の奥まったところにある春日荘は、普通に見かける安易なアパートであるが、三つの特色があった。
その頃私の家は田舎の広い屋敷に在った。
A神社参拝は、良俗の一つとなっている。
十月の半ばをちょっと過ぎたばかりで、湖水をかこむ彼方の山々の峯には、仄白く見えるほどに雪が降った。
丘の上には、さびれた小さな石の堂があって、七八本の雑木が立並んでいた。
陽が陰るように、胸に憂欝の気が立ち罩める時がある。
四月初旬の夜のことだった。
東京近くの、或る大きな河の彎曲部に、渡舟場がありました。
がらり…………ぴしゃりと、玄関の格子戸をいつになく手荒く開け閉めして、慌しく靴をぬぐが早いか、綾子は座敷に飛び込んできた。
長谷部といえば、私達の間には有名な男だった。
欝ぎの虫、癪の種、さまざまなものが、人間のなかに住んで、正常な感情を引っ掻きまわすと言われているが、ここに、木山宇平のなかには怒りの虫がいつしか巣くったと、周囲の人々から見られるようになった。
中野さんには、喜代子という美しい姪があった。
椰子の実を灯籠風にくりぬいたのへぽつりと灯火をつけてる、小さな酒場「五郎」に名物が一つ出来た。
終戦後、柴田巳之助は公職を去り、自宅に籠りがちな日々を送りました。
志村圭介はもう五十歳になるが、頭に白髪は目立たず、顔色は艶やかで、そして楽しそうだった。
明るいというのではなく、ただ赤いという色感だけの、朝焼けだ。
検察当局は私を、殺人罪もしくは自殺幇助罪に問おうとしている。
桃代の肉体は、布団の中に融けこんでいるようだった。
退社間際になって、青木は、ちょっと居残ってくれるようにと石村から言われて、自席に残った。
さほど高くない崖の下に、池がありました。
棚の上に、支那の陶器の花瓶があった。
今年二十四歳になる中山敏子には、終戦後二回ほど、縁談がありました。
橋のところで、わたしは休んだ。
爪の先を、鑢で丹念にみがきながら、山口専次郎は快心の微笑を浮かべた。
「ドラ鈴」がこのマダムのパトロンかどうかということが、四五人の常連の間に問題となっていた時、岸本啓介はそうでないということを――彼にしてみれば立証するつもりで――饒舌ってしまった。
もう長い間の旅である――と、またもふと彼女は思う、四十年の過去をふり返って見ると茫として眼がかすむ。
キミ子は、何の前触れもなしに飛びこんできた。
「なんだか……憂欝そうですね。
仁木三十郎が間借りしていた家は、空襲中に焼け残った一群の住宅地の出外れにありました。
二月になって、思いがけなく、東京地方に大雪が見舞った。
山の湯に来て、見当が狂った。
祖母の病気、その臨終、葬式、初七日と、あわただしい日ばかり続く。
小泉美枝子は、容姿うるわしく、挙措しとやかで、そして才気もあり、多くの人から好感を持たれた。
焼跡の中に、土蔵が一つある。
ある河のほとりに、崔という豪家がありました。
年毎に彼の身体に悪影響を伝える初春の季節が過ぎ去った後、彼はまた静かなる書斎の生活をはじめた、去ってゆく時の足跡をじっと見守っているような心地をし乍ら。
深々と、然し霧のように軽く、闇のたれこめている夜……月の光りは固よりなく、星の光りも定かならず、晴曇さえも分からず、そよとの風もなく、木々の葉もみなうなだれ眠っている……そういう真夜中に、はっきりと人の気配のすることがある。
十一月のはじめ夜遅く馬喰町の附近で、電車に触れて惨死した少年があった。
坂田さん、じゃあない、坂田、とこう呼びずてにしなければならないようなものが、俺のうちにある。
瀬川が来ているのだなと夢現のうちに考えていると、何かの調子に彼はふいと眼が覚めた。
――私はその頃昼と夜の別々の心に生きていた。
喧騒の都市上海の目貫の場所にも、思わぬところに閑静な一隅がある。
夕方降り出した雨はその晩遅くまで続いた。
むかし、あるところに、エキモスという羊飼いの少年がいました。
七月の中旬、午後からの曇り空が、降るともなく晴れるともなく、そのまま薄らいで干乾びてゆき、軽い風がぱったりと止んで、いやに蒸し暑い晩の、九時頃のことだった。
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