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尾崎紅葉の全作品

青空文庫で公開されている尾崎紅葉の全作品3篇を、おすすめ人気順で表示しています。

1〜3件 / 全3件
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前編第一章未だ宵ながら松立てる門は一様に鎖籠めて、真直に長く東より西に横はれる大道は掃きたるやうに物の影を留めず、いと寂くも往来の絶えたるに、例ならず繁き車輪の輾(きしり)は、或(あるひ)は忙かりし、或(あるひ)は飲過ぎし年賀の帰来なるべく、疎に寄する獅子太鼓の遠響は、はや今日に尽きぬる三箇日を惜むが如く、その哀切に小き膓(はらわた)は断れぬべし。
むかしむかし翁は山へ柴刈に、媼(ばば)は洗濯の河にて、拾いし桃実の裏より生れ出でたる桃太郎、猿雉子犬を引率[#ルビの「いんぞつ」はママ]してこの鬼ヶ島に攻来り、累世の珍宝を分捕なし、勝矜らせて還せし事、この島末代までの恥辱なり、あわれ願わくは武勇勝れたる鬼のあれかし、其(その)力を藉(かり)てなりともこの遺恨霽(はら)さばやと、時の王鬼島中に触を下し、誰にても...
夙(かね)て硯友社の年代記を作つて見やうと云(い)ふ考を有つて居るのでありますが、書いた物は散佚して了ふし、或(あるひ)は記憶から消え去つて了つた事実などが多い為に、迚(とて)も自分一人で筆を執るのでは、十分な事を書く訳には行かんのでありますから、其(そ)の当時往来して居つた人達に問合せて、各方面から事実を挙げなければ、沿革と云(い)ふべき者を書く事は出来ません、其(これ)に就て不便な事は、其昔朝夕に往来して文章を見せ合つた仲間の大半は、始から文章を以て身を立る志の人でなかつたから...
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