ブンゴウサーチ
児童書版

心眼

三遊亭円朝
『心眼』は青空文庫で公開されている三遊亭円朝の短編作品。8,668文字で、おおよそ30分以内で読むことができます。
文字数
30分以内   8,668 文字
人気
  205 PV
書き出し
さてこれは外題を心眼と申す心の眼といふお話でござりますが、物の色を眼で見ましても、只(たゞ)赤のでは紅梅か木瓜の花か薔薇(ばら)か牡丹か分りませんが、ハヽア早咲の牡丹であるなと心で受けませんと、五色も見分が付きませんから、心眼と外題を致しましたが、大坂町に梅喜と申す針医がございましたが、療治の方は極下手で、病人に針を打ちますと、それがためお腹が痛くなつたり、頭痛の所へ打ちますと却て天窓が痛んだり致しますので、あまり療治を頼む者はありません。
初出
底本
「明治の文学 第3巻 三遊亭円朝」筑摩書房, 2001(平成13)年8月25日
表記
新字旧仮名
※「人気」は青空文庫の過去10年分のアクセスランキングを集計した累計アクセス数から算出しています。