青空文庫の児童文学全作品（3ページ目）

ここに茶わんが一つあります。

小田原熱海間に、軽便鉄道敷設の工事が始まつたのは、良平の八つの年だつた。

人魚は、南の方の海にばかり棲（す）んでいるのではありません。

むかし、あるところに、三人むすこをもった、粉ひき男がありました。

四つのつめたい谷川が、カラコン山の氷河から出て、ごうごう白い泡をはいて、プハラの国にはいるのでした。

懐中時計が箪笥の向う側へ落ちて一人でチクタクと動いておりました。

松の木や楢（なら）の木の林の下を、深い堰（せき）が流れて居りました。

（一）［＃「（一）」は縦中横］一本木の野原の、北のはづれに、少し小高く盛りあがった所がありました。

だんなさんがお金もちの、ある女のひとがいました。

絵のない絵本ふしぎなことです！わたしは、なにかに深く心を動かされているときには、まるで両手と舌とが、わたしのからだにしばりつけられているような気持になるのです。

死にかかった病人の枕元でお医者が首をひねって、「もう一時間も六カしいです」と言いました。

町も、野も、いたるところ、緑の葉につつまれているころでありました。

赤とんぼは、三回ほど空をまわって、いつも休む一本の垣根の竹の上に、チョイととまりました。

ここからは、はるかな国、冬がくるとつばめがとんで行くとおい国に、ひとりの王さまがありました。

〔もうでかけましょう。

めくらぶどうと虹（にじ）宮沢賢治城（しろ）あとのおおばこの実（み）は結（むす）び、赤つめ草の花は枯（か）れて焦茶色（こげちゃいろ）になり、畑（はたけ）の粟（あわ）は刈（か）られました。

むかし、花のき村に、五人組の盗人がやって来ました。

九月一日どっどどどどうどどどうどどどう、ああまいざくろも吹きとばせすっぱいざくろもふきとばせどっどどどどうどどどうどどどう谷川の岸に小さな四角な学校がありました。

まちそとの森に、いっぽん、とてもかわいらしい、もみの木がありました。

童謡は童心性を基調として、真、善、美の上に立つてゐる芸術であります。

前がき『ジャン・クリストフ』の作者ロマン・ローランは、西暦千八百六十六年フランスに生まれて、現在ではスウィスの山間に住んでいます。

黒馬旅館の客影のような男怪物！そうだ、怪物にちがいない。

二十面相の改名「透明怪人」の事件で、名探偵、明智小五郎に、正体を見やぶられた怪人二十面相は、そのまま警視庁の留置場に入れられ、いちおう、とりしらべをうけたのち、未決囚として東京都内のＩ拘置所に、ぶちこまれてしまいました。

苔（こけ）いちめんに、霧がぽしゃぽしゃ降って、蟻（あり）の歩哨は鉄の帽子のひさしの下から、するどいひとみであたりをにらみ、青く大きな羊歯の森の前をあちこち行ったり来たりしています。

海のおきへ、遠く遠く出ていきますと、水の色は、いちばん美しいヤグルマソウの花びらのようにまっさおになり、きれいにすきとおったガラスのように、すみきっています。

むかしむかし、あるところに、なに不自由なく、くらしている紳士がありました。

それは、ひどく寒いおおみそかの夜のことでした。

アメリカ生まれのキューピーがいなくなったので、おもちゃ箱の中は大変なさわぎがはじまりました。

二ひきの馬が、まどのところでぐうるぐうるとひるねをしていました。

山の中の道のかたわらに、椿（つばき）の若木がありました。

赤ちゃんが、おかあさんのおっぱいをすぱすぱとのんでいました。

太郎は長いあいだ、病気でふしていましたが、ようやく床からはなれて出られるようになりました。

むかし、ある霧のふかい朝でした。

花園みたいにまつてゐる。

ある国に王様がありまして、夫婦の間にたった一人、オシャベリ姫というお姫さまがありました。

むかし、むかし、丹後の国水の江の浦に、浦島太郎というりょうしがありました。

むかし、摂津国の難波という所に、夫婦の者が住んでおりました。

うずのしゅげを知っていますか。

二月のある日、野中のさびしい道を、十二、三の少年と、皮のかばんをかかえた三十四、五の男の人とが、同じ方へ歩いていった。

むかし、むかし、あるところに、おじいさんとおばあさんがありました。

奇怪な老人空いちめん、白い雲におおわれた、どんよりとむしあつい、春の日曜日の夕方のことでした。

夜ふけ。

訳者からポオル叔父さんは、本当に驚く程物識りです。

みなさん、よくごぞんじのように、シナでは、皇帝はシナ人で、またそのおそばづかえのひとたちも、シナ人です。

骸骨紳士ある夕がた、少年探偵団の名コンビ井上一郎君とノロちゃんとが、世田谷区のさびしいやしきまちを歩いていました。

あるとき、三十疋（ぴき）のあまがえるが、一緒に面白く仕事をやって居りました。

はしがき一。

マントにんぎょうのまききむらたけしくんは、しょうがっこうの二ねん生で、とうきょうのひろいおうちにすんでいました。

昔、支那の或（ある）田舎に書生が一人住んでいました。

うた子さんは友達に教わって、水仙の根を切り割って、赤い絵の具と青い絵の具を入れて、お庭の隅に埋めておきました。