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魔のひととき

原民喜
『魔のひととき』は青空文庫で公開されている原民喜の短編作品。1,629文字で、おおよそ5分以内で読むことができます。
文字数
5分以内   1,629 文字
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書き出し
魔のひととき尾花の白い幻やたれこめた靄がもう今にも滴り落ちさうな冷えた涙のわきかへるわきかへるこの魔のひとときよとぼとぼと坂をくだり径をゆけば人の世は声をひそめキラキラとゆらめく泉笑まひ泣くあえかなる顔外食食堂のうた毎日毎日が僕は旅人なのだらうか驟雨のあがつた明るい窓の外の鋪道を外食食堂のテーブルに凭れて僕はうつとりと眺めてゐる僕を容れてくれ...
初出
底本
「日本の原爆文学1 原民喜」ほるぷ出版, 1983(昭和58)年8月1日
表記
新字旧仮名
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