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TOP 大阪圭吉中編（60分以内）とむらい機関車

とむらい機関車

大阪圭吉

『とむらい機関車』は青空文庫で公開されている大阪圭吉の中編作品。20,791文字で、おおよそ60分以内で読むことができます。

文字数

60分以内 20,791 文字

人気

327 PV

書き出し

――いや、全く左様ですよ。

初出

1934年 (「ぷろふいる」ぷろふいる社、1934（昭和9）年9月号)

底本

「とむらい機関車」国書刊行会, 1992（平成4）年5月25日

表記

新字新仮名

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大阪圭吉の人気作品

品川の駅で、すぐ前の席へ、その無遠慮なお客さんが乗り込んで来ると、クルミさんは、すっかり元気をなくしてしまった。

――じゃァひとつ、すっかり初めっから申し上げましょう……いや全く、私もこの歳になるまで、ずいぶん変わった世間も見てきましたが、こんな恐ろしい目に出会ったのは天にも地にも、これが生まれて初めてなんでして……――ところで、むごい目にお会いになった旦那様のお名前は、御存知でしたね……そうそう新聞に書いてありましたな。

むし暑い闇夜のことだった。

とむらい機関車

――いや、全く左様ですよ。

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