中谷宇吉郎の全作品（4ページ目）

わが師、わが友として、最も影響を受けた人たちと言えば、物心がついてから今日まで、私が個人的に接触したすべての人が、師であり友であった。

今世紀の初頭から着手されたアメリカの綜合開発は、今日かがやかしい成果をあげている。

はしがき科学と国境という問題は、以前から論議されてきた課題であるが、原子力の解放にまで到達した今日の新しい時代になってみると、急激にその切実さを増してきた感がある。

アリューシャンを越えて七月六日の午後、ノース・ウェスト機で羽田を立った時は、雨の中であった。

終戦と同時に、ニセコの観測所は、当然閉鎖の運命にあった。

黒い月と白い月ハワイ島の高峰マウナ・ロアは、一万三千七百フィートの山頂を中心にして、神奈川県よりも一周り広い全地域が、黒い熔岩で蔽われている。

宇宙旅行の夢宇宙旅行の夢くらい、素晴らしくて、又罪のない夢はない。

札幌の発展北海道の首都札幌は、この二、三年来異常な建築ブームでたいへんな賑わいである。

六三制の十年そろそろ新学期を迎える頃になると、毎年思い出したように、教育問題が、日々の新聞紙面に、華々しく登場してくる。

洪水か電力危機か昭和二十六年の秋は、電力の危機が全国的に叫ばれ、その中でも関西地方の電力危機は、文字通りの危機であったらしい。

寺田寅彦という名前を、初めて知ったのは、たしか高等学校二年の頃であったように思う。

露伴と神仙道『東と西』の問題は、人類にとって、最大の課題といわれる。

蔵王山の「怪人」冬のスポーツとして、スキーが急激に人々の間にひろまったとき、練習場で遊んでいることにあきたらず思う人々は、更に雪の山へと出かけて行った。

地球創成の面影遠い遠い昔のこと、もちろん人間などまだ地球上に現れなかった時代、おそらく数千万年もの大昔に、太平洋の深海の底に、大きい亀裂がはいった。

この話は大正十二年の暮から昭和三年の春までの四年あまりにわたって、私が先生の下で学生または助手として働いている間に、実験室や御宅の応接間で折にふれて先生から聞いた話を思出すごとに書き留めておいたものを整理したものである。