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5分以内で読める若山牧水の短編作品

青空文庫で公開されている若山牧水の作品の中で、おおよその読了目安時間が「5分以内」の短編20作品を、おすすめ人気順に表示しています。

(〜2,000文字の作品を対象としています。読了時間は「400字/分」の読書スピードで計算した場合の目安です)
1〜20件 / 全20件
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冷たさよわが身をつゝめわが書齋の窓より見ゆる遠き岡、岡のうへの木立一帶に黝(くろ)み靜もり岡を掩ひ木立を照しわが窓さきにそゝぐ夏の日の光に冷たさあれわが凭る椅子腕を投げし卓子脚重くとどける疊部屋をこめて動かぬ空氣すべてみな氷のごとくなれわがまなこ冷かに澄みあるとなきおもひを湛へ勞れはてしこゝろは森の奧に古びたる池の如くにあれあゝねが...
生の歡びを感ずる時は、つまり自己を感ずる時だとおもふ。
著者書くとなく書きてたまりし文章を一册にする時し到りぬおほくこれたのまれて書きし文章にほのかに己が心動きをる眞心のこもらぬにあらず金に代ふる見えぬにあらずわが文章に幼く且つ拙しとおもふわが文を讀み選みつつ捨てられぬかも自がこころ寂び古びなばこのごときをさなき文はまた書かざらむ書きながら肱(ひぢ)をちぢめしわがすがたわが文章になしといはなくにちひさきは小さきままに伸びて張れる木の葉のすがたわが文にあれよおのづから湧き出づる水...
大正十年の春から同十三年の秋までに書いた隨筆を輯めてこの一册を編んだ。
底深い群青色の、表ほのかに燻(いぶ)りて弓形に張り渡したる眞晝の空、其處には力の滿ち極まつた靜寂の光輝があり、悲哀がある。
今まで自分のして來たことで多少とも眼だつものは矢張り歌を作つて來た事だけの樣である。
ソレ、君と通つて此處なら屹度釣れると云つたあの淀み富士からと天城からとの二つの川の出合つた大きな淀みにたうとう出かけて行つて釣つて見ましたかなり重い錘でしたが沈むのによほどかゝる四尋からの深さがありましたとろりとした水面にすれ/\に釣竿が影を落すそれだけで私の心は大滿足でした山の根はいゝが惜しいことに釣つてゐる上に道があるなるたけ身體を小松の蔭にかくしてゐ...
○乾きたる落葉のなかに栗の實を濕りたる朽葉がしたに橡(とち)の實をとりどりに拾ふともなく拾ひもちて今日の山路を越えて來ぬ長かりしけふの山路樂しかりしけふの山路殘りたる紅葉は照りて餌に餓うる鷹もぞ啼きし上野の草津の湯より澤渡の湯に越ゆる路名も寂し暮坂峠○朝ごとにつまみとりていただきつひとつづつ食ふく...
藤の花若山牧水私は五六歳のころから齒を病んだ。
きさらぎは梅咲くころは年ごとにわれのこころのさびしかる月梅の花が白くつめたく一輪二輪と枯れた樣な枝のさきに見えそむる。
旅と云つても、ほんの一夜泊の話なのですが――。
私は宗教といふものを持たない。
わが家の、北に面した庭に、南天、柘榴(ざくろ)、檜葉、松、楓(かへで)の木が小さな木立をなしてゐる。
噴火口のあとともいふべき、山のいただきの、さまで大きからぬ湖。
湯槽の朝若山牧水三月廿八日、午前五時ころ、伊豆湯ケ島温泉湯本館の湯槽(ゆぶね)にわたしはひとりして浸つてゐた。
花二三若山牧水梅のかをりを言ふ人が多いが、私は寧ろ沈丁花(ぢんちやうげ)を擧げる。
いちはやく秋風の音をやどすぞと長き葉めでて蜀黍(もろこし)は植う私は蜀黍の葉が好きである。
私は日向國耳川(川口は神武天皇御東征の砌(みぎり)其處から初めて船を出されたといふ美々津港になつてゐます)の上流にあたる長細い峽谷の村に生れました。
それほどにうまきかとひとの問ひたらば何と答へむこの酒の味眞實、菓子好の人が菓子を、渇いた人が水を、口にした時ほどのうまさをば酒は持つてゐないかも知れない。
光を含んだ綿雲が、軒端に見える空いつぱいに輝いて、庭木といふ庭木は葉先ひとつ動かさず、それぞれに雲の光を宿して濡れた樣に靜まつてゐる。
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