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小熊秀雄の全作品

青空文庫で公開されている小熊秀雄の全作品33篇を、おすすめ人気順で表示しています。

1〜33件 / 全33件
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或る雪の日の午後。
電車を降りて××橋から、雨の中を私と彼とは銀座の方面に向つて歩るきだした、私と彼とは一本の洋傘の中にぴつたりと身を寄せて、黒い太い洋傘の柄を二つの掌で握り合つてゐる。
小熊秀雄全集-1詩集(10 )風物詩篇小熊秀雄●目次東京風物伝|旭川風物詩|東京短信東京風物伝東京駅東京駅はウハバミの燃える舌で市民の生活を呑吐する玄関口、朝は遅刻を怖れて階段を一足とび夕は疲れて生気なく沈黙の省電に乗る所詮、悪蛇の毒気に触れて人々の痲痺は不感症なり。
私はこゝにひとつの思想を盛つた食餌を捧げるそれは悪いことかもしらないまた善いことかもしらない、たゞ私が信じてゐるだけのことである。
彼は木製玩具の様に、何事も考へずに帰途に着いた。
――ぢやん、ぢやん、ちゆう、やは朝鮮語で長い長い秋の夜といふ意味。
この一篇をマルキストに捧ぐ屋根の上の物音、禿鷹のやうに横着で、陰気な眼をした、あんまり飛び廻つて羽の擦りきれた鴉の群であつた。
紙幣よ、貴様のためにこの私の詩人が歌ふのを光栄と思へ、だが貴様はいふだらう、――何を生意気な貧乏詩人め、イノシシとは一体十円札か百円札か知つてゐるかさういはれてみると一寸胴忘れした然しそんなことが何の恥辱だらう、紙幣の図柄をゆつくり見て居る暇もない程に貴様はいつも私の右から入つて左へ抜けるまるで駈足だ。
夏に入つてから、私の暮しを、たいへん憂鬱なものにしたのは、南瓜畑であつた。
わたしはシャリアピンさまに永年仕へてゐる蚤ともに韃靼の古都カザンに生れともに暮して当年六十四歳、夏はシャリアピンのカラーの下の涼しいところに冬は暖い頭髪の中に平素は主として鳩尾のあたりに住んでゐる、早耳、早足は小生の特長御主人シャリアピンが御承知なくともわたしはすべてを知つてゐる、ソビヱットのこと、旦那の若い頃からの友達ゴリキイ旦那の最近の便りもせつせと走り廻つたり、聴き廻つたりし...
叙事詩「魔女」の人物海羅義丘()千敬太郎(青年)天羅多吉(独立画家)富士光雄(渕(ママ))マリア()悪魔()魔女()姉()序詩すべての女の読者諸君よいまは時代の過渡期です、若しあなたに恋愛に就いての真ねんがなかつたら、恋することはお控へなさいでなければ貴女の教養と財産にとつて...
ある夜一人の見も知らぬ学生が訪ねて来た、洋服の袖口のところが破れてゐて小さな穴から下着の縞模様をのぞかせてゐた、学生は――諷刺文学万歳!と叫んでそして私に握手を求めた――曙ですよ、あなたのお仕事の性質は、日本に諷刺文学がとにかく真実に起つたといふことは決定的に我々の勝です、彼はかう言つて沈黙した、ところで我々はそれから、ぺちやくちやしやべつた揚句は――諷刺作家は...
俺はつくづくと考へる。
舞台周囲が岩石ばかりの大谿谷の底を想像させる所、極度に晴れ渡つた早春の朝、遠くから太鼓のにぶい音と、タンバリンの低い音が断続的に聞えてくる、舞台ボンヤリとして何か間のぬけた感。
お寺の境内の踊り場で男はさんざんに踊つた、疲れてへと/\になるほどに、呼吸がぜいぜいと鳴りだすほどに手を振つたり足を振つたりした。
小熊秀雄全集-8詩集(7)恋愛詩篇小熊秀雄[表記について]●ルビは「(ルビ)」の形式で処理した。
小熊秀雄全集-短歌集 小熊秀雄●目次◆幻影の壺|◆その他短歌幻影の壺けだものの子産科院よるのさびしさ夕食の鈴のしづかに鳴りにけるかなおぎや……たかくさびしく産科院けだものの子のうまれけるかなけだものの子はかたくもろ手を胸にくみしつかりなにかにぎり居るかもうすら毛のけだものの子は四つ足をふんばりにつつ呼吸づきにけりけだものの子は昼としなればひそま...
小熊秀雄全集-12詩集(11)文壇諷刺詩篇小熊秀雄[表記について]●ルビは「(ルビ)」の形式で処理した。
小熊秀雄全集-10詩集(9)流民詩集2小熊秀雄●目次漂泊詩集|愛情詩集漂泊詩集月は地上を見てゐる月よ悪い犬奴お前は光りで咆えよ地上の喰べ物を欲しがつてゐるでもお前には地上の愛は喰はせない水蜜桃の汁はおれたちが吸ふのだ月よお前は地上の一切の出来事をなにもかにも光りのセロファン紙で包まうとする貧乏も、失恋も、饑餓もた...
小熊秀雄全集-20大波小波小熊秀雄独立美術分裂説次は誰が脱退するか▼独立の林重義も遂にシビレを切らして脱退した。
この長詩を書くための材料に本棚を熱心にかきまはしたが探す本は発見らない黒表紙で五十頁余りの吉田りん子といふ詩人の『酒場の窓』といふ詩集だ、捨て難いものがあつて時々本棚の整理で本を売り飛ばす時も傍に除けてをくのだから何処かにまぎれ込んでゐるに相違ない私は彼女を『奇蹟の女王』と名づけてゐる。
小熊秀雄全集-5詩集(4)小熊秀雄詩集2小熊秀雄●目次III|IVIII茫漠たるもの茫漠たる不安のために私は必死となる野であり、山であり、村落であり、海であり、都会であり、村であり、空中であり、地下道である。
小熊秀雄全集―3―詩集2中期詩篇[表記について]●ルビは「漢字(ルビ)」の形式で処理した。
奪はれた魂地軸に近い何所かでうづもれた世にも稀なる紫ダイヤをとげ/\と骨ばかりのやせこけた悪魔たちがまるくとりまきひからびた手を繋ぎ合ひにやにやとしたもの倦い足どりで踊るたびにからからと音がする◇ちやうどそれのやうにちやうどそれのやうにかつて失はれた俺の魂はかつてうばはれた俺の魂は柔かく滑らかな琥珀の頬と熟したザクロの唇とをもつた美しい悪...
小熊秀雄全集-9詩集(8)流民詩集小熊秀雄●目次序|通信詩集|愚鈍詩集|哀憐詩集二十年も、そのもつと前に、自分は詩を書き初めたとき、こんな念願をたてたものであつた、それは一生の間に自分の身長だけの高さの、詩集の冊数をもちたいものだといふことであつた。
小熊秀雄全集-4詩集(3)小熊秀雄詩集小熊秀雄●目次|I|IIたぐひなく美しい幻に満ちた東洋の国日本の過去は、私の祖国として愛着措かないものである。
[目次]星野博士火星への通信火星の運河火星に人間が住んでゐるか空中飛行火星の首都ミルチス・マヂョル市大歓迎会腹痛トマト騒動火星の看護婦さん地球に向つてテン太郎の報告人間のヒゲと猫のヒゲコオロギと蛙(かへる)[#改ページ]星野博士○テン太郎やお昼のおべんとうを天文台のお父さんにとどけておくれハイ行つてきます○...
●目次◆未収録詩篇(1936〜1940)性別の谷一つの太陽と二つの現実パドマ雪の伝説を探るには右手と左手或る旦那の生活寓話的な詩二篇温和しい強盗猿と臭い栗国民の臍を代表してさあ・練習始め芝居は順序よくいつてゐる日比谷附近多少の埃は平民と愛愛と衝動と叡智文学の大根役者に与ふ転落インテリの硬直喜怒哀楽の歌怖ろしい言葉...
小熊秀雄全集-6詩集(5)飛ぶ橇小熊秀雄※収録した作品のいくつかには「伏せ字」が含まれています。
小熊秀雄全集-7詩集(6)長篇詩集小熊秀雄[表記について]●ルビは「(ルビ)」の形式で処理した。
自画像此所にトムさんと言ふ至つてお人好しの農夫がをりました、この村の人達は余りお人好しの[#「お人好しの」は底本では「お好しの」]事をトムさんのやうだとよく言ひますが、全くトムさんはお人好しでした。
●小説総目次土の中の馬賊の歌味瓜畑塩を撒く殴る裸婦憂鬱な家泥鰌雨中記諷刺短篇七種盗む男の才能に関する話暗黒中のインテリゲンチャ虫の趨光性に就いて深海に於ける蛸の神経衰弱症状芸妓聯隊の敵前渡河村会の議題『旦那の湯加減並に蝋燭製造の件』一婦人の籐椅子との正式結婚を認めるや否や『飛つチョ』の名人に就いて監房ホテル遙か彼方を眺むれば...
●目次1.モヂリアニ論2.松林桂月論3.松林桂月論(二)4.堅山南風論5.郷倉千靱論6.伊東深水論7.奥村土牛論8.上村松園論9.大智勝観論10.小倉遊亀論11.菊池契月論12.金島桂華論13.徳岡神泉論14.石崎光瑤論15.山口華楊論16.小杉放庵論17.福田平八郎論18.川村曼舟論19.児玉希望論20.大森桃太郎氏の芸術...
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