5分以内で読める宮本百合子の短編作品（8ページ目）

古橋広之進君をはじめ五名の水泳代表選手が、来る十一日のパンアメリカ号で渡米する。

私の部屋の前にかなり質の好い紅葉が一本ある。

さきごろは「鉛筆詩抄」を頂きまことにありがとうございました。

今日は世界の婦人が平和と生活の安定のために手をつなぎあって働いていますが、私たち日本の婦人こそもっとも積極的に平和のため闘う立場にあります。

今わたしの机の上に二冊の本が置かれている。

夜の八時ごろ、お隣の女中さんが柿の木の彼方から、お電話ですと呼んでくれた。

この頃いったいに女のひとの身なりが地味になって来たということは、往来を歩いてみてもわかる。

ヘンリー・ライクロフトの私記の中に、自分は、斯うやって卓子の上にある蜜も、蜜であるが故に喜んで味わう――ジョンソンが云った通り、文学的素養のある人間と無い人間とは、生者と死者ほどの違いがある。

私がアメリカにおりましたのは僅か一年半ばかしのことで、別にたいした感想もありません。

われわれの『文学新聞』が、今度「婦人欄」を特別に設け、そこへ面白いためになる婦人と文学とに関する種々な記事を精力的にのせることになったのは、実にうれしい。

国鉄のクビキリが人々の注目をあつめはじめると同時に、列車妨害の記事が毎日、新聞へ出るようになった。

各地方支部婦人同盟員及び婦人サークル員諸君！いよいよもう数日でメーデーだ。

私のところへ送付された十数篇の応募原稿の中から、左の四篇を予選にのこして回覧した。

去る六月十一日、読売新聞の「世界への反逆」という文章で中島健蔵氏が、記録文学の名のもとにジャーナリズムにあらわれはじめた戦記ものの本質について注意をよびおこしたのは適切であった。

日本の社会の空気が、いくらかのびのびと各人の心持を表現させるようになってから、一年と少しの時が経った。

私たち婦人が「女らしい」とか「女らしくない」とかいう言葉で居心地わるい思いをしなくなるのはいつのことだろう。

ありふれた従来の日本文学史をみると、明治三十年代に写生文学というものをはじめて提唱した文学者として正岡子規、高浜虚子や『ホトトギス』派のことは出て来るが、長塚節のことはとりたてて触れられていない。

この二三日来の新聞で龍田丸の中毒事件が私たちを驚かしている。

先だっての新聞は元新興キネマの女優であった志賀暁子が嬰児遺棄致死の事件で、公判に附せられ、検事は実刑二年を求刑した記事で賑わいました。

二月十一日の祭日に、日劇のまわりで演じられた数万の群集の大混乱が、何か一つの事件めいた感銘を一般に与えて、あの事から様々の反響――手近に云えばこれまでパン屋のよこにつくられた列もいけないことになったというような影響を示しているのは、何故だろう。

銀座の通りを歩いていたらば、一つの飾窓の前に人だかりがしている。

前号の『文化タイムズ』に、わたしの評論集『歌声よ、おこれ』について本多秋五氏の書評がのせられた。

封建社会のモラルは、日本でもヨーロッパでも、簡単な善と悪とのふたすじにわけられていた。

昨夜おそく帰ったので私は昼近くなるまで、何もしらずに赤坊の様によく寝込んで仕舞った。

法隆寺が焼けて、あの見ごとな壁画が修理もきかないほどひどくなってしまった。

どうもこれは大へん難しいおたずねだと思われますね。

一般に日本の人が、イエスとノーとをはっきり使いわけないということについては、度々、いろいろの人がいろいろの角度から関心を向けて来た。

○西側の腰高窓の床の間よりに机を出して坐った。

過日『仰日』ならびに『檜の影』会からお手紙を頂き重ねてあなたからのお手紙拝見いたしました。

先頃、山川氏の『朱実作品集』を、いろいろの点から興味ふかく読んだ。

サークル活動をするものの心得として、よく云われる言葉がある。

『働く婦人』の三月号がとどいた。

数あるトルストイの伝記の中でも、このビリューコフの『トルストーイ伝』は、資料の豊富なことと考証の正確な点で、最も基礎的な参考文献であろう。

坪内先生に、はじめて牛込余丁町のお宅でおめにかかったのは、もう十数年以前、私が十八歳の晩春であったと思う。

十三日。

この文芸評論集には、ごく最近に書かれた数篇と、いくらかさかのぼって一九四五年の十二月ごろから書かれた数篇とがあつめられている。

二十世紀の後半の第一年―一九五一年がわたしたちの良心の前にひらかれた。

よたび八月十五日を迎えるにあたって、わたしたち日本の女性は、ますますつよい実感をもって、戦争挑発をやめよ！と叫ばずにいられません。

此頃、癖になって仕舞ったと見えて、どうしても私は九時前には起きられない。

一九三七年十二月二十七日、警保局図書課が、ジャーナリストをあつめて懇談会を開く。

同志小林多喜二がボルシェヴィキの作家として実に偉かったところは、うむことないその前進性である。

集った原稿をよんで、生活のルポルタージュというものは案外むずかしいものであることを深く感じました。

三春富士と安達太郎山などの見えるところに昔大きい草地があった。

みなさん！八十日間の検束の後自由を奪いかえして来た第一の挨拶を送ります。

いつもの様に私は本を持って庭に出た。

小林多喜二全集第一回配本を手にしたすべての人々が、まず感じたことは何だったろう。

ここに一個の人物がある。

私は東京で生れた。

新聞というものについての考えかたも、それぞれの時代によって大きい変化を経て来ていると思う。

○温室の石井を呼びつける、ｍ真中、右石井（若い方うなだれている）、左石井草の工合をきいているが妙にからんで「昨日よそへ行きましたら、カーネーションがのでんですっかりよく育って居りましたよさし木をしてねエ、あれは温室でなくても育つと見えますねえ」石「ずっと野天で生えているのをさし木すれば育ちます、種生はどうも……」やがて「奥さん、何かおこのみでこれを育てたいというような花がありましたら仰云って下さい」「どうも私どもは...