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野村胡堂の全作品(2ページ目)

青空文庫で公開されている野村胡堂の全作品405篇を、おすすめ人気順で表示しています。

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伽羅大尽磯屋貫兵衛の涼み船は、隅田川を漕(こ)ぎ上って、白鬚の少し上、川幅の広いところを選って、中流に碇(いかり)をおろしました。
「御免」少し職業的に落着き払った声、銭形平次はそれを聞くと、脱いでいた肌を入れて、八五郎のガラッ八に目くばせしました。
荒物屋のお今――今年十七になる滅法可愛らしいのが、祭り衣裳の晴れやかな姿で、湯島一丁目の路地の奥に殺されておりました。
錢形平次もこんな突拍子もない事件に出つくはしたことはありません。
「親分、良い陽氣ぢやありませんか。
本郷妻戀町の娘横丁、――この邊に良い娘が多いから土地の若い衆が斯んな名で呼びましたが、何時の間にやら痴漢が横行して、若い娘の御難が多く、娘受難横丁と言ふべきを省略して娘横丁と、其儘の名で呼び慣はしました。
江戸の閑人の好奇心は、途方もないところまで發展しました。
ガラツ八の八五郎が、その晩聟入をすることになりました。
「平次、少し骨の折れる仕事だが、引受けてはくれまいか」若い与力の笹野新三郎は、岡っ引風情の銭形平次に、こんな調子で話しかけました。
女性というものの平凡さに、江島屋宗三郎は、つくづく愛憎を尽かして居りました。
發端篇「お早う、親分」「何んだ八か、今日あたりはお前の大變が舞ひ込みさうな陽氣だと思つたよ。
「親分、小柳町の伊丹屋の若旦那が來ましたぜ。
「親分」「何だ、八」「腕が鳴るね」ガラッ八の八五郎は、小鼻をふくらませて、親分の銭形平次を仰ぎました。
プロローグ吉井明子夫人を会長とする奇談クラブの席上で、話の選手に指名された近江愛之助は、斯(こ)んな調子で語り始めるのでした。
「親分、手紙が参りました」「どれどれ、これは良い手だ。
「親分、あっしは、気になってならねえことがあるんだが」「何だい、八、先刻から見ていりゃ、すっかり考え込んで火鉢へ雲脂をくべているようだが、俺はその方がよっぽど気になるぜ」捕物の名人銭形の平次は、その子分で、少々クサビは足りないが、岡っ引には勿体ないほど人のいい八五郎の話を、こうからかい気味に聞いてやっておりました。
江戸開府以来の捕物の名人と言われた銭形平次も、この時ほど腹を立てたことはないと言っております。
支那の詐偽、及び犯罪に関するいろいろな徴候を見ると、非常に緻密な組織になっている。
「親分ちょいと――」ガラッ八の八五郎は、膝小僧で歩くように、平次のとぐろを巻いている六畳へ入って来ました。
「親分、聽いたでせう?」ガラツ八の八五郎は、鐵砲玉のやうに飛び込んで來ると、格子戸と鉢合せをして、二つ三つキリキリ舞ひをして、バアと狹い土間へ長んがい顎を突き出すのです。
「親分、ちよいと江戸をあけますがね」八五郎はいきなりこんなことを言つて來たのです。
江戸開府以來の捕物の名人と言はれた錢形の平次が、幽靈から手紙を貰つたといふ不思議な事件は、子分のガラツ八こと、八五郎の思ひも寄らぬ縮尻から始まりました。
「親分、たまらねえ事があるんで、これから日本橋まで出かけますよ、いっしょに行って見ちゃ何うです」巳(み)の刻近い、真昼の日を浴びて、八五郎はお座敷を覗いて顎を撫でるのです。
増田屋金兵衞、その晩は明るい内から庭に縁臺を持出させ、九月十三夜の後の月を、たつた一人で眺めることにきめました。
捕物作家である私は探偵小説のファンとしての立場から、探偵小説に対する私見を述べてみたいと思う。
「親分、四谷忍町の小松屋というのを御存じですか」「聞いたことがあるようだな――山の手では分限のうちに数えられている地主かなんかだろう」銭形平次が狭い庭に下りて、道楽の植木の世話を焼いていると、低い木戸の上に顎をのっけるように、ガラッ八の八五郎が声を掛けるのでした。
「親分、変なことがあるんだが――」ガラッ八の八五郎は、大きな鼻の穴をひろげて、日本一のキナ臭い顔を親分の前へ持って来たのでした。
「八、近頃お前は、大層な男になつたんだつてね」錢形平次は、珍らしく此方から水を向けました。
神田祭は九月十五日、十四日の宵宮は、江戸半分煮えくり返るような騒ぎでした。
發端篇「親分、變なことを聽きましたがね」ガラツ八の八五郎は、薫風に鼻をふくらませて、明神下の平次の家の、庭先から顎を出しました。
「考へて見ると不思議なものぢやありませんか。
新吉は眼の前が真っ闇になるような心持でした。
愛情主義の平次「銭形平次」を書き始めて、もう二十七年になる。
プロローグ「さて皆様、私はここで、嘘のような話を聴いて頂きたいのであります。
「親分、面白い話がありますぜ」ガラッ八の八五郎、銭形平次親分の家へ呶鳴り込みました。
「親分、お早やうございます。
「八、大變なことがあるさうぢやないか」江戸開府以來と言はれた、捕物の名人錢形平次は、粉煙草の煙りを輪に吹きながら、いとも寛々たる態度で、飛び込んで來た子分の八五郎に、かう浴びせるのでした。
「親分、お願いがあるんだが」ガラッ八の八五郎は言いにくそうに、長い顎を撫(な)でております。
「ね、親分、こいつは珍しいでせう」ガラツ八の八五郎は、旋風のやうに飛込んで來ると、いきなり自分の鼻を撫で上げるのでした。
早春のよく晴れた陽を浴びて、植木の世話をしてゐる平次の後ろから、「親分、逢つてやつて下さいよ。
「江戸中の評判なんですがね、親分」「何が評判なんだ」ガラッ八の八五郎が、何か変なことを聞込んで来たらしいのを、銭形の平次は浮世草紙の絵を眺めながら、無関心な態度で訊き返しました。
「お早う」ガラッ八の八五郎は、尋常な挨拶をして、慎み深く入って来ると、お静のくんで出した温かい茶を、お薬湯のように押し戴いて、二た口三口啜(すす)りながら、上眼づかいに四辺を見廻すのでした。
「親分、あつしはよく/\運が惡いんだね」ガラツ八の八五郎は、なんがい顎を撫でながら、つく/″\斯(こ)んな事をいふのです。
本郷菊坂の六軒長屋――袋路地のいちばん奥の左側に住んでいる、烏婆アのお六が、その日の朝、無惨な死骸になって発見されたのです。
「人の心といふものは恐ろしいものですね、親分」八五郎が顎を撫で乍ら、いきなりそんな事を言ふのです。
「親分、大変なものを拾って来ましたぜ」八五郎のガラッ八は、拇指を蝮(まむし)にして、自分の肩越しに入口の方を指しながら、日本一の突き詰めた顔をするのでした。
近代探偵小説に一つの型を与えた、コナン・ドイルの「シャーロック・ホームズ」は、あの苛辣冷静な性格に似ずヴァイオリンをよくし時には助手のワトソン博士に一曲を奏でて聴かす余裕があり、緊迫した空気の中で、トスカニーニの指揮するモーツァルトに興味を持ったりしている。
江戸名物の御用聞銭形の平次が、後にも前にもこんなひどい目に逢ったことがないという話。
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