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岡本綺堂の全作品(4ページ目)

青空文庫で公開されている岡本綺堂の全作品230篇を、おすすめ人気順で表示しています。

151〜200件 / 全230件
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「やあ、あなたも……。
文政四年の四月は相州江の島弁財天の開帳で、島は勿論、藤沢から片瀬にかよう路々もおびただしい繁昌を見せていた。
大田蜀山人の「壬戌(じんじゅつ)紀行」に木曾街道の奈良井の宿のありさまを叙して「奈良井の駅舎を見わたせば梅、桜、彼岸ざくら、李(すもも)の花、枝をまじえて、春のなかばの心地せらる。
江戸っ子は他国の土を踏まないのを一種の誇りとしているので、大体に旅嫌いであるが、半七老人もやはりその一人で、若い時からよんどころない場合のほかには、めったに旅をしたことが無いそうである。
「あなたはお芝居が好きだから、河内山の狂言を御存知でしょう。
久し振りで半七老人に逢うと、それがまた病みつきになって、わたしはむやみに老人の話が聴きたくなった。
明治廿五年の春ごろの新聞をみたことのある人たちは記憶しているであろう。
「いつかは弁天娘のお話をしましたから、きょうは鬼むすめのお話をしましょうか」と、半七老人は云った。
「今ではすっかり埋められてしまって跡方も残っていませんが、ここが昔の帯取りの池というんですよ。
「安政三年……十一月の十六日と覚えています。
これはM君の話である。
二階からといって、眼薬をさす訳でもない。
「年代はたしかに覚えていませんが、あやつり芝居が猿若町から神田の筋違外の加賀ツ原へ引き移る少し前だと思っていますから、なんでも安政の末年でしたろう」と、半七老人は云った。
神信心という話の出たときに、半七老人は云った。
「いつか向島でお約束をしたことがありましたっけね」「お約束……。
ある年の正月に私はまた老人をたずねた。
四月のはじめに、わたしは赤坂をたずねた。
文久元年三月十七日の夕六ツ頃であった。
半七老人を久し振りでたずねたのは、十一月はじめの時雨れかかった日であった。
半七老人の家には小さい三毛猫が飼ってあった。
歴史小説の老大家T先生を赤坂のお宅に訪問して、江戸のむかしのお話をいろいろ伺ったので、わたしは又かの半七老人にも逢いたくなった。
ある年の正月、門松のまだ取れないうちに赤坂の家をたずねると、半七老人は格子の前に突っ立って、初春の巷(ちまた)のゆきかいを眺めているらしかった。
明治三十二年の秋とおぼえている。
半月ばかりの避暑旅行を終って、わたしが東京へ帰って来たのは八月のまだ暑い盛りであった。
わたしがいつでも通される横六畳の座敷には、そこに少しく不釣合いだと思われるような大きい立派な額がかけられて、額には草書で『報恩額』と筆太にしるしてあった。
二月以来、わたしは自分の仕事が忙がしいので、半七老人の家へ小半年も無沙汰をしてしまった。
「むかし者のお話はとかく前置きが長いので、今の若い方たちには小焦れったいかも知れませんが、話す方の身になると、やはり詳しく説明してかからないと何だか自分の気が済まないというわけですから、何も因果、まあ我慢してお聴きください」半七老人は例の調子で笑いながら話し出した。
なにかのことから大岡政談の話が出たときに、半七老人は云った。
その頃、わたしはかなり忙がしい仕事を持っていたので、どうかすると三月も四月も半七老人のところへ御無沙汰することがあった。
このごろ未刊随筆百種のうちの「享和雑記」を読むと、濃州徳山くろん坊の事という一項がある。
「また怪談ですかえ」と、半七老人は笑った。
まず劈頭にズウフラの説明をしなければならない。
「江戸時代の隠密というのはどういう役なんですね」と、ある時わたしは半七老人に訊(き)いた。
十月のなかばであった。
五月のはじめに赤坂をたずねると、半七老人は格子のまえに立って、稗蒔売の荷をひやかしていた。
むかしの正本風に書くと、本舞台一面の平ぶたい、正面に朱塗りの仁王門、門のなかに観音境内の遠見、よきところに銀杏の立木、すべて浅草公園仲見世の体よろしく、六区の観世物の鳴物にて幕あく。
ある年の正月下旬である。
「幽霊の観世物」の話が終ると、半七老人は更にこんな話を始めた。
七月七日、梅雨あがりの暑い宵であったと記憶している。
S弁護士は語る。
安政と年号のあらたまった年の三月十八日であった。
A君――見たところはもう四十近い紳士であるが、ひどく元気のいい学生肌の人物で、「野人、礼にならわず。
ある日、例のごとく半七老人を赤坂の家にたずねると、老人はあたかも近所の碁会所から帰って来た所であった。
老人とわたしと差し向いで、五月の雨のふる日曜日を小半日も語り暮した。
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