5分以内で読める青空文庫の短編作品（4ページ目）

題して剣の四君子という。

中原君の詩はよく讀んだが、個人としては極めて淺い知合だつた。

百里に迷ふ旅心、古りし伽藍に夜を明かす。

一番最初鍋の中に切れ目のある昆布を敷き、鍋の深さの半分目以上水を入れる。

僕は精神が好きだ。

色々な意味に於てそれからである。

盧生は死ぬのだと思った。

クリスマスとは何ぞや我が隣の子の羨ましきにそが高き窓をのぞきたり。

光は東方からかわらぬ真理の曙（あけぼの）に立つて今、大淀の流れに影を映すわれらの都大大阪。

これにもよい悪いがずいぶんあるからご注意願いたい。

先生に関しては約半世紀の追想があり、既に蕪稿も千枚近く書いて来た。

十年前、十六歳の少年の僕は学校の裏山に寝ころがって空を流れる雲を見上げながら、「さて将来何になったものだろう。

本紙（朝日新聞）の文芸時評で、長与先生が、私の下手な作品を例に挙げて、現代新人の通性を指摘して居られました。

私は、青森県北津軽郡というところで、生れました。

食通というのは、大食いの事をいうのだと聞いている。

宮沢賢治全集第一回配本が出た。

余が友徳富猪一郎君さきに『将来の日本』と称する一冊子を編著し、これを余に贈り、あわせて余の一言を求めらる。

一、春の枝に花あり夏の枝に葉あり秋の枝に果あり冬の枝に慰あり二、花散りて後に葉落ちて後に果失せて後に芽は枝に顕はる三、嗚呼憂に沈むものよ嗚呼不幸をかこつものよ嗚呼冀望の失せしものよ春陽の期近し四、春の枝に花あり夏の枝に葉あり秋の枝に果あり冬の枝に慰あり。

眞實の道は一本の繩――別に高く張られてゐるわけではなく、地上からほんの少しの高さに張られてゐる一本の繩を越えて行くのだ。

季節にちなんで、お雑煮の話をしたいと思う。

一社會人として、こゝに一文を草しなければかなはぬ義務を感じてゐる。

久保田万太郎君の「しるこ」のことを書いてゐるのを見、僕も亦（また）「しるこ」のことを書いて見たい欲望を感じた。

久米は官能の鋭敏な田舎者です。

文章僕に「文章に凝りすぎる。

もう、三十七歳になります。

母は明治八年生れ。

お正月になると、大概の人は数の子を食う。

丘の白雲大空に漂う白雲の一つあり。

たいについて、京都、大阪で、子ども時分から聞きこんでいることは、玄海灘を越してきたたいでなくては美味くないということだ。

この空気この音オレは日本に帰ってきた帰ってきたオレの日本に帰ってきたでもオレには日本が見えない空気がサクレツしていた軍靴がテントウしていたその時オレの目の前で大地がわれたまっ黒なオレの眼漿が空間にとびちったオレは光素（エーテル）を失ってテントウした日本よオレの国よオレにはお前がみえない一体オレは本当に日本に帰ってきているのかなんにも...

水の底、水の底。

中村さん。

吾に讎あり、艨艟吼ゆる、讎はゆるすな、男兒の意氣。

昔、池袋にすんでいたころ、小学校の生徒に頻りに敬礼されて、その界隈を遠廻りに敬遠して歩かねばならなくなったが、僕に似た先生がいたに相違ない。

昔俳句を作りはじめた時分に、はじめて百日紅といふ樹を見た。

何んな花でもながく見ていれば好きになって来るものだという人がある。

小島政二郎君シカゴの話の続きを書きます。

京都の高瀬川は、五条から南は天正十五年に、二条から五条までは慶長十七年に、角倉了以が掘ったものだそうである。

横綱、男女川が、私の家の近くに住んでいる。

「青い花」に出てゐた一見童話風の、しかしその内部には近代人の自己分裂と精神薄弱の自己反省を伴つた現実感を、風の如く、さりげなくしみじみと漂はせて骨格の卑しくないもののあるのを発見したのは一年も前の事であつたらう。

所謂社会主義の世の中になるのは、それは当り前の事と思わなければならぬ。

春の夜である。

おいしいごちそうを作るにはどうしたらよいでしょうか？などという声をよく聞く。

化学調味料は近来非常に宣伝されているが、わたしは化学調味料の味は気に入らない。

佛領西亞非利加のロアンゴの民、以前信ぜしは、其地の術士人を殺し咒して其魂を使ふに日々鹽入れず調へたる食を供ふ。

文学論と云ふものがある。

私の行手に横たわっていた白い墓が今度は起き上ってじっと私の顔を見ている私にはそこにゆくより路がない。

ひとは偉そうな顔はしていても、また自由、自由と、自由を叫んでみても、みながみな、家畜に等しく、宛てがわれたままの食べ物を口にして、うまいとかまずいとかいってはいるが、日常の事務的行為として三度の食事の不自由に気がつかない。

どうも、みんな、佳い言葉を使い過ぎます。

私は今日、町はづれのお不動様の近くに、用事があつて出掛けたが、用事の済んだのは夕暮れで、道傍の草むらには、秋も終りに近い虫の声が散らばつていた。