10分以内で読める青空文庫の短編作品（47ページ目）

あるところに、性質のちがった兄と弟がありました。

みなさん、しばらくでした。

私の処女作――と言えば先ず『猫』だろうが、別に追懐する程のこともないようだ。

レオ・トルストイ翁のこの驚嘆すべき論文は、千九百四年（明治三十七年）六月二十七日を以てロンドン・タイムス紙上に發表されたものである。

本郷の金助町に何がしを訪うての帰り例の如く車をゆるゆると歩ませて切通の坂の上に出た。

さて、鏡縁御欄間の仕事が終りますと、今度は以前より、もっと大役を仰せ附かりました。

あるやんごとなき御方の御下問に奉答した私の言葉の要約を摘記する。

エスペラントの話を聴きたい、よろしい、やりませう。

二科会（カタログ順）有島生馬氏。

野の中に、一本の大きなかしの木がありました。

講演作家で講演好きというたちの人は、どっちかといえば少なかろう。

かう言ふ憎々しい物言ひをして、大變な勞作を積んで入らつしやる作家諸氏に失禮に當つたら、御免下さい。

日本に目録學なし。

周一は、今年のお年玉に叔父さんから空気銃を貰つた。

町というものは、ふしぎなものです。

『中央公論』の十月号に、荒木巍氏の「新しき塩」という小説がある。

古くダンテがイタリア語の父であるとされ、又降ってルターがドイツ語の完成者と云われるように、ルネ・デカルトはフランス語の恩人とされている。

むかしあるところに、梟が住んでいました。

風の吹くたびに、ひからびた落ち葉が、さらさらと音をたて、あたりをとびまわりました。

「たうとう弟にまで金を借りる樣になつたかなあ。

外遊び或は庭遊びと謂つた方が、軒遊びに對してわかりがよいかも知れない。

八月十七日私は自分の農場の小作人に集会所に集まってもらい、左の告別の言葉を述べた。

隣家のＳ女は、彼女の生れた昨年の旱魃にも深い貯水池のおかげで例年のように収穫があった村へ、お米の買出しに出かけた。

波止場の附近はいつものやうに、ぷんぷん酒臭い水夫や、忙しさうに陸揚してゐる人夫どもで一ぱいだつた。

しん粉細工に就いては、今更説明の必要もあるまい。

汽笛が鳴って、工場の門をでるころには、日は西の山へ入るのでありました。

上野の動物園の象が花屋敷へ引っ越して行って、そこで既往何十年とかの間縛られていた足の鎖を解いてもらって、久しぶりでのそのそと檻（おり）の内を散歩している、という事である。

この音楽的映画の序曲は「パリのめざめ」の表題楽で始まる。

田圃の太夫といわれた沢村源之助も四月二十日を以て世を去った。

おじさんの髪は、いつもきれいでした。

文学書類を出版する本屋も私は明治三十四五年頃から今日まで関係してゐることだから話をしだせば限りがないくらい沢山あります。

にぎやかな電車通の裏に、川に沿つた静かな柳の並木道があります。

四書斎を転々と方々にうつしてゐる私を、あなたはおわらひになり、また放浪癖がはじまつたとおつしやるのですが、たしかに、さういふところもないではないでせう。

小石川の小日向臺に、檜葉菩薩と稱する賢人あり。

楽器の歴史は非常に古いものである。

元禄享保の頃、関西に法眼、円通という二禅僧がありました。

自分一人の力ではどうにもならないやうなことを、やれどうしなければならぬ、かうしなければならぬと、むきになつていふのは、落付いて考へて見ると、甚だ滑稽であり、ある種の人から見れば、さぞ片腹痛く思はれるであらうが、何時の時代にもまた何れの社会にも、かういふ「おせつかい」がゐて、頼まれもせぬことを、頭痛に病んでゐるらしい。

彼は木製玩具の様に、何事も考へずに帰途に着いた。

雑誌「玄想」の創刊号から十回に亙つて毎号「宛名のない手紙」といふ題で発表した文章をこゝに一冊の本として出すことにした。

子を失ふ話（木村庄三郎氏）書かれてゐるのは優れた個人でもない、ただあり來りの人間である。

×私は衣食住ともに無頓着の方で、殊に食べ物に就いてはデリケートの味感がないと見え、たゞ世間普通の意味での甘い物を食べさせられてさへ居ればよいのであつて、マヅイものを食はされても餘り文句は言はない方である。

郷里の家を貸してあるＴ氏からはがきが来た。

この世界が造られましたときに、三人の美しい天使がありました。

祖母（そぼ）楠山正雄青めがね一雄（かずお）は小学校へ行くようになって、やっと一月立つか立たないうちに、ふと眼病をわずらって、学校を休まなければならなくなりました。

三月二十七日―四月十三日自分台処で。

貧しとし時にはなげく時としてその貧しさを忘れてもをるゆく水のとまらぬこころ持つといへどをりをり濁る貧しさゆゑに小生の貧困時代は首尾を持つてゐない。

○一九二二年の暮れ、モスコオ芸術座の一行が初めて巴里を訪れ、シャン・ゼリゼエ劇場の大舞台で、その華々しい上演目録の中から、特に純露西亜の作品数篇を選んで、旅興行の蓋をあけた。

にはかに思ひ立つて伊香保まで出掛けた。

Ｋ先生。

三人の娘らは、いずれもあまり富んでいる家の子供でなかったのです。